画は 歌川 芳員 (よしかず) 生没年 不詳
作画期: 嘉永前期 ~ 明治3年頃
画系 : 歌川國芳 門下
画号 : 一壽齋 一川 一川齋など 作
「亜墨利加蒸気舩 長四十間 巾六間」です。
☆晴れ。
「恫喝砲艦外交」の 下僕ども、
◆http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-d9b120.html
植草一秀の『知られざる真実』
2019年6月 9日 (日)
◎自民公約パンフは 「日本の明日を 切り刻む」 の誤記?
自民党が 参院選に向けての 公約を発表した。
公約資料の表紙には 「日本の明日を切り拓く」とあるが、
内容を見る限り「日本の明日を 切り刻む」が妥当である
と判断される。
自民党の国対が 通常国会の会期を延長しない方針を固めた
と伝えられている。
そうなると、国政選挙の日程は 7月21日ということになる。
通常国会会期末に 衆院を解散すれば衆参ダブル選となり、
衆院が解散されなければ参院選単独実施になる
参院選単独実施の場合は、10月の消費税率10%への引き上げを
強行する方針が維持される可能性が高い。
この場合、参院選の最大争点は 消費税増税の是非ということになる。
非常に分かりやすい選挙 になる。
消費税増税には まったく正当な根拠がない。
庶民を叩きのめして、大資本だけに甘い汁を吸わせる方針が
明確になる。
日本の主権者は、消費税増税の是非を問う選挙で、
消費税増税阻止の意思を 鮮明に示すべきである。
野党にもいろいろあり、野党を信用できないと思う主権者が多いが、
本年10月の 消費税率10%への引き上げについては、
一致して反対の意思が示されている。
わざわざ自民党の政調会長に 消費税増税の実施を要請する連合
のような組織が支持母体になっている政党が 存在することが
重大な問題であるが、野党共闘陣営では 消費税増税阻止が
共通公約に掲げられている。
したがって、参院選においては、消費税増税の是非
を最重要争点に位置付けることが必要だ。
主権者は 消費税増税阻止の意思 を明示するべきだ。
消費税増税を行うべきでない理由を 三つ挙げておく。
第一は、日本経済が深刻な不況に転落する可能性が極めて高いこと。
安倍内閣は消費税対策を講じるとアピールするが、
消費税増税の規模は年度ベースで5.5兆円を超える。
今後の10年間で考えれば 55兆円増税である。
安倍内閣が提示している消費税増税対策は 2兆円規模である。
55兆円の増税に2兆円の増税対策を講じて、
どれだけの意味があるのか。
これを「焼け石に水」という。
日本経済は昨年10月から、新たな景気後退局面に移行している
と見られる。
4月の景気動向指数が発表されたが、
景気の基調判断の「悪化」が維持された。
消費税増税を強行すれば、日本経済が深刻な不況に突入する
ことは確実である。
第二の問題は、消費税増税が日本の格差問題を
さらに深刻化させることだ。
所得税は格差を是正するメカニズム を内包している。
所得の少ない個人は 納税を免除される。
他方、所得の多い個人は 所得税納税義務を負うが、
税負担率は所得が増えるに連れて上昇する仕組み
が取られている。
この所得税制度が 所得分配の格差を是正する機能を有している。
1989年の消費税導入以降の税収推移を見ると、
消費税増税で得られた財源によって
法人税と所得税の大減税 が強行されてきたことが分かる。
消費税は 所得がゼロの個人からも税金をむしり取る制度である。
所得がゼロの子どもやお年寄りに対する税率と、
所得が100億円の個人に対する税率がまったく同じである。
所得の少ない階層には過酷で、富裕層には極めて緩い税制なのだ。
法人企業の内部留保は2017年末に 466兆円に達している。
法人企業の利益は2012年から2018年までに 倍増した。
労働者を踏み潰した結果として企業利益が倍増したのだが、
その法人に対して大減税が強行され続けてきた。
第三の問題は、消費税増税を価格に転嫁できない中小零細企業が、
消費者が負担するはずの消費税を肩代わり負担させられて、
廃業・倒産に追い込まれていることだ。
消費税増税強行方針が維持されて参院選に突入する場合、
日本の主権者は消費税増税阻止に向けて、
怒りの一票を 必ず投じるべきだ。
この行動が取られるなら、安倍内閣は選挙に負けて、
必ず総辞職に追い込まれることになるだろう。
歌川 芳員、二枚目、
「東都名所」 「御茶之水」です。
順風満帆ですな、
◆http://www.asyura2.com/19/senkyo261/msg/666.html
投稿者: 赤かぶ 日時: 2019 年 6 月 08 日 kNSCqYLU
◎<朝日新聞朝刊、見出しが最高!>
参院選 消費税争点化? れいわ新選組、廃止訴え 寄付1.6億円
反緊縮 野党同調 の動き
▼http://asyura.x0.to/imgup/d9/17147.jpg
☆https://digital.asahi.com/articles/ASM6653R5M66UTFK00V.html
朝日新聞 2019年6月7日
夏の参院選に向け、野党内に「消費税」を争点化する動きが出ている。
自民党は7日に発表した公約で 「10月の消費税率引き上げ」を明記。
野党はすでに消費増税反対で歩調を合わせるが、
消費税の廃止や税率の引き下げ を訴える声も出始めている。
野党で消費税廃止の急先鋒(きゅうせんぽう)が、
4月に「れいわ新選組」を立ち上げた 山本太郎参院議員(東京選挙区)だ。
山本氏は格差是正のため、消費税廃止と政府のさらなる財政出動など
「反 緊縮」を前面に打ち出す。
主張は話題を呼び、全国各地での街頭演説やインターネット上で
募った寄付は40日目で 1億円を超えた。
6月5日時点では1億6826万円に。
内訳は1千円や5千円など少額の寄付が6~7割を占めるという。
政治資金に詳しい日大法学部の岩井奉信教授は
「通常の個人献金の集め方では、これほどの金額は集まらない。
異例だ」と指摘する。
山本氏は「3億円で 参院選に10人擁立」など
集まった金額によって 選挙への対応を決めるとしており、
すでに独自候補の1人目として、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の
元事務局長、蓮池透氏の擁立を発表した。
格差是正をめざし、さらなる財政出動を求める主張は、
米民主党のオカシオ コルテス氏、英労働党の コービン氏ら
欧米で活発化する「反緊縮 左派」と重なるという指摘もある。
草の根から 野党超党派に「反緊縮」を呼びかけるキャンペーンを展開する
立命館大経済学部の松尾匡教授は
「大胆な財政出動を求める 反緊縮への訴えは
世界的なムーブメントであり、山本氏はようやく
日本に現れた最初の一人」とみる。
野党内にも こうした「反緊縮」に同調するような動き が出始めている。
国民民主党の玉木雄一郎代表は5日の定例会見で
「消費税の減税も 選択肢から否定するものではない」と発言。
立憲民主党が宮城選挙区に擁立した新顔の石垣のりこ氏や、
比例区に公認した新顔の おしどりマコ氏ら公認候補者も
「消費税 廃止」を訴えている。
ただ、民主党は与党時代に消費税率10%への引き上げを
自民、公明両党と合意した経緯があるだけに、
野党内にも消費減税への反発はある。
旧民進党系の衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」代表の
野田佳彦前首相は6日、記者団に「玉木代表まで言うとは驚いた。
減税までいうのはポピュリズムの極致だ」と強く批判している。
↑
野豚ホモ彦は 松下政経塾出(=資本の犬)の 売国奴です。
爺さんは 熊本で有名な「在日」 トロイの木馬ですよw
歌川 芳員、三枚目、
「坂田 金時」 「渡邉 綱」です。
支那の過大評価は 支那を利する、
5Gの安全性は 担保できるのか? 人命の軽きこと 鴻毛の如き民族だぞ、
◆https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/11908
長周新聞 2019年6月8日
◎通信技術覇権で 敗北する米国
5Gで先行する中国 技術開発の差は 歴然
米中貿易戦争をめぐって米国が中国への「制裁」を乱発している。
関税引き上げ対象を拡大し、米商務省はファーウェイ本社と関連68社に
米国製品の輸出を禁じる制裁措置も発動した。
民間企業レベルでも 米グーグルがファーウェイ製品の基本ソフト(OS)
を今後サポートしないと表明し、
日本の半導体メーカーや携帯電話大手までファーウェイとの取引停止や
新製品の販売延期に踏み切った。
だが中国側は譲歩するどころか強気の姿勢を崩していない。
国内メディアはこぞって「強いアメリカが 中国を追いつめている」と描くが、
世界の力関係は変化している。
次世代通信5Gの技術開発競争をめぐっても米国の衰退と
中国の台頭が顕著にあらわれている。
米国と韓国で4月3日、世界で初めて5Gの商用サービスが始まった。
もともとは韓国の通信大手3社(SKテレコム、KT、サムスン電子)が
4月5日に世界初のサービスを開始する予定だった。
それを「開始予定は4月11日」と宣伝していた米ベライゾンが突然、
発売日を変更して出し抜いた。
そして「アメリカの5Gが世界初」
「アメリカが最も先行している」と印象づけた。
ところが5Gをめぐる競争は米韓が中心ではない。
技術開発が先行しているのは中国であり、その中心に位置する企業が
ファーウェイだった。
米携帯業界団体・CTIAが4月に発表した「5Gへの対応度」の調査
(民間企業による5G試験や導入の進捗実績、電波の割り振り状況、
政府の戦略などを数値化して比較)によると、
19年度のスコアは首位の中国と米国が19、韓国が18、日本が17だった。
アメリカはこの開発競争で主導権を奪うため、ファーウェイ製品を排除したり
電子部品供給への規制を強めているが、中国側に失速する気配はない。
今月中にも国有3社(中国移動・チャイナモバイル、
中国電信・チャイナテレコム、中国聯通・チャイナユニコム)に
5Gの免許を交付し、5G本格運用の前倒しを進め始めた。
中国国内に5Gが使える環境を整備してファーウェイの収益底上げを図ること、
アメリカに先駆けて5Gを整備した中国市場の「対外開放」を
アピールして外資を受け入れ、米国が主導する経済圏を切り崩す狙いだ。
中国側は「対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。
準備はできている」(魏鳳和国防相)と強気の姿勢を見せている。
☆技術革新で 生活が変化
近年、メディアの露出が増えている5Gは
携帯通信技術の段階を示す名略称だ。
その主な流れを見ると
【1G】(第1世代、1980年代~)アナログ携帯電話方式(音声通話中心)
【2G】(第2世代、1993年~)デジタルへ移行(ネット接続)
【3G】(第3世代、2001年~)スマートフォン登場
【4G】(第4世代、2010年~)動画やゲームにも対応
【5G】(第5世代、2019年~)IoT(モノのインターネット)などに活用
と推移している。
この通信規格の技術革新のたびに生活環境が変化した。
当初の携帯電話は肩から提げるショルダーホンだったが、それが小型化し、
通話にとどまらずテレビやインターネット、動画送信機能まで加わった。
4Gの段階ではDVD1枚分のデータが約5分でダウンロードできる
まで技術は進歩している。
それが5Gになると大きく変わる。
これまで使っていた遠くに飛びやすい周波数の低い電波を使うのではなく、
スピードは速いが 届く範囲が短い 高周波の電波 を使うからだ。
電波の届く範囲が限られるため 従来より基地局を増やすことになるが、
高速・大容量・多接続通信が可能になる。
「高速・大容量」の分野では、4Gのとき
毎秒1ギガビットだった通信量が
5Gになると毎秒20ギガビットとなり、
通信速度が現在の約20倍早くなる。
データ通信の応答速度を左右する「遅延(レイテンシ)」分野も変化する。
遅延は命令を出して反応にかかる時間で、
機械やロボットを遠隔操作するときはこの遅延の数値が大きいと
事故やミスにつながる。
この遅延が4Gのとき10㍉秒(0・01秒)だったのが、
5Gになると1㍉秒(0・001秒)になる。
タイムラグは10分の1になり遠隔操作の実用化が進むことになる。
また「同時多接続」の能力が向上する。
4Gのとき1㌔平方㍍当りでインターネットに接続できる端末数は
10万台だった。 それが5Gになると1㌔平方㍍当り100万台に増える。
この能力向上によって「多人数がネット回線につなぐと
なかなかつながらない」 「動作が鈍くなる」という現象は改善される。
こうした技術の進歩は 暮らし全体をIoT(モノのインターネット)技術
を活用した 遠隔操作や 自動化の機能を搭載した家電製品市場の拡大を促し、
国全体の産業活性化にもつながる。
そのため国際市場では米国と中国を軸にした
通信技術の覇権争奪戦が過熱している。
この5Gをめぐる中国と米国の衝突は突然始まったものではない。
1980年代の第1世代(1G)登場時から続く携帯電話関連市場をめぐる
争奪戦の継続である。
世界の携帯通信市場の設備投資規模は8兆円をこしており、
これまでは米国政府と関係の深いエリクソン(スウェーデン)と
ノキア(フィンランド)の二強が主導権を握っていた。
そこに5G開発をめぐってファーウェイやZTEなどの中国勢が食い込み、
エリクソンとノキアの二強を脅かしている。
基地局ベンダー(通信機器メーカー)全売上高の世界シェア
(2018年、英調査会社IHSマークイット調べ)を見ると
世界市場213億㌦の内訳は、エリクソンが29%、ファーウェイが26%、
ノキアが23・4%、ZTEが11・7%であり、
ファーウェイが世界の首位争いに名乗りを上げている。
世界首位のエリクソンは、米クアルコムの基地局部門や
カナダ・ノーテルワークスの無線インフラ部門を買収した企業で
北米圏との関係が深い。
ノキアは米モトローラの通信インフラ部門や
米アルカテル・ルーセント(米AT&Tの流れをくむ企業)を買収した企業で
エリクソン以上にアメリカとの関係が密接である。
基地局は企業や個人の通信に欠かせない中枢施設であると同時に、
政府や軍事機関が使う中核施設である。
そのためアメリカは軍事力と同様に通信技術の開発を重視し、
常に独占的な地位を保つことを追求した。
そして4Gの段階ではエリクソンとノキアを軸にして、
GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれる
米国企業集団が世界のネット市場を牛耳る態勢を構築した。
しかし5Gの技術開発を進めていく過程で 通信技術覇権が崩れ始めている。
2018年のスマートフォン世界出荷台数シェアを見ても、
サムスン電子(韓国)=20・8%、アップル(米国)=14・9%、
ファーウェイ(中国)=14・7%、シャオミ(中国)=8・7%、
OPPO(中国)=8・1%となり、
4Gで独占的地位を築いたアップルは 落ち目になっている。
▼https://www.chosyu-journal.jp/wp-content/uploads/2019/06/
e00dd0f5b100ee8d3ae6acab12020aac-228x400.jpg
主要メーカーの5G関連必須特許数
ファーウェイなど新たに台頭してきた中国勢の特徴は
研究開発を重視していることだ。ファーウェイは毎年売上げの10%以上
を研究費にあてており、2017年の年間研究開発費は約1・5兆円
に達している。また18万人の社員のうち8万人超が研究開発に携わっている。
こうしたなか2018年の企業特許国際出願件数は
ファーウェイが5404件で1位となり、
2位の三菱電機(2812件)や3位のインテル(2499件)
を大きく引き離した。
2015年には「ファーウェイが利用したアップルの特許」(98件)より
「アップルが利用したファーウェイの特許」(769件)の方が多く
技術レベルの高さも浮き彫りになった。
また中国では2015年7月に「中国製造2025」を公布し、
国主導で技術開発を押し進めている。
そこでは「宇宙用設備や通信設備」をめぐって
「産官学連携の共同研究開発」を重視し、
「2025年までに 核心基礎部品とカギとなる基礎材料の
70%の自給を実現」することを目標に掲げた。
国揚げた技術開発計画が動くなかで「中国製品は 海賊版ばかり」
という古い常識はすでに変化している。
▼https://www.chosyu-journal.jp/wp-content/uploads/2019/06/
dd56f43f512b7813ac1c066cdc4247eb-381x400.jpg
{グラフ1}国際特許数の上位5カ国
一方、米国メーカーは技術革新そっちのけで
株主の高額配当を追求した結果、技術開発力は弱体化し、
企業間の訴訟や足の引っ張り合いが目立っている。
スマホ大手のアップルは当初提携していた米クアルコムと
特許をめぐる訴訟が過熱して同社から部品調達ができなくなり、
米インテルと5G用部品の開発に着手した。
しかし2020年まで商用出荷ができない事態になっている。
米グーグルは グーグル製基本ソフト(OS)を搭載しないアップル
の窮状に乗じて アップルの技術者引き抜きを進めている。
こうしたなかで中国勢が基地局ベンダー市場では
リクソンとノキアの牙城を突き崩し、
スマートフォン市場ではアップルを脅かしている。
もはやまともな技術開発競争で太刀打ちできないため、
国主導で 「制裁」や競争相手の排除に 乗り出したのがアメリカである。
そのためトランプ大統領は昨年8月、米国の国防権限法に署名した。
同法は「19年8月から米政府機関はファーウェイなど特定5社
(ファーウェイ、ZTE、ハイクビジョン、ダーファ、ハイテラ)
の機器・サービスの利用を禁止する。
「5社の機器を使った製品も利用を禁止する」
「20年8月からは5社の機器やサービスを利用している
企業との取引も禁止する」という内容だった。
それを受けて米国と諜報協定を結ぶ「ファイブアイズ」
(米国、カナダ、ニュージーランド、英国、オーストラリア)
の一員であるオーストラリア政府が追随姿勢を示し、
カナダと日本がファーウェイ排除の方針を決定した。
カナダは「イラン制裁に 違反した」と主張し、
ファーウェイの最高財務責任者(CFO)の逮捕に踏み切った。
2月中旬にはペンス副大統領とポンペオ国務長官が欧州諸国を回り
「ファーウェイのリスクを認識しない国とは 情報共有を控える」
と圧力をかけて回った。
ところが欧州近辺で米国と同一歩調をとる国はわずかで、
ファイブアイズの一員である英国ですら「リスクは 管理可能」と表明し、
無条件排除の姿勢は示さなかった。
反対に アイスランド、トルコ、ドイツ、バーレーン、アラブ首長国連邦、
スイス、韓国などはファーウェイ製品の使用を排除しないことを表明した。
ところが米国の対抗手段は「制裁」しかない。
そのため関税引き上げ対象を拡大したが、
大打撃を受ける米国内から批判が噴出した。
スポーツ用品大手や靴を扱う小売店170社が「関税引き上げ中止」
を求める書簡をトランプ大統領に送りつけ、
全米小麦生産者協会、米大豆協会、全米トウモロコシ生産者協会は
抗議の共同声明を発した。
さらにファーウェイへの「部品供給を止める」と圧力をかければ
中国側は「レアアースの 対米輸出を制限する」と主張し始めた。
レアアースは利用分野が広いうえ 中国から輸入の8割を依存しているため、
米国は関税引き上げ対象から除外していたが、やぶ蛇となっている。
そして今では 台湾海峡近辺に軍艦をうろつかせる「航行の自由作戦」ぐらい
しか恫喝手段はなくなっている。
☆携帯電話制す 中国 契約数も特許数も 歴然とした差
そもそも通信技術覇権をめぐる米国の「制裁」は
すでに勝負がついたなかでの悪あがきに過ぎない。
それは市場規模が余りに違うことを見ても歴然としている。
国際電気通信連合(ITU)が公表した2000年の携帯電話契約数
上位5カ国(1人で複数契約の事例あり)を見ると
①米国 1億 948万件
②中国 8526万件
③日本 6678万件
④ドイツ 4820万件
⑤イギリス 4225万件
となっており、当時は米国と日本が世界で大きなシェアを持っていた。
それが2017年になると
①中国 14億7410万件
②インド 11億6890万件
③インドネシア 4億5892万件
④米国 3億9588万件
⑤ブラジル 2億6349万件
となり勢力図は大きく変化した【図・携帯電話契約数上位国参照】。
▼https://www.chosyu-journal.jp/wp-content/uploads/2019/06/
f0fdab930a586f6efbebcb05bd1f7245-600x365.jpg
当然、中国の携帯電話市場はファーウェイをはじめとする中国勢が
握ることになる。さらにファーウェイはインドの携帯電話市場の
約7割を握るボーダフォン・アイデアセルラーや
バルティ・エアテルと5Gの試験設備を設置することで合意し
インド市場に参入する準備も進めている。
中国とインドの人口は今後も拡大するすう勢で、
国連は2030年になると2国だけで29億人をこすという推計【表1参照】
を明らかにしている。
他方、日本と米国の人口は2国合わせても5億人に届かない。
衰退する米国に追随して「制裁」に加担することは、
急激な成長を遂げる約30億人市場や50億人をこすアジア市場との
連携を閉ざし、米国とともに衰退していく道でしかない。
▼https://www.chosyu-journal.jp/wp-content/uploads/2019/06/
02bfa0cddc66a42d4b14b716611df3f0-494x600.jpg
人口上位20カ国の推計
5Gをめぐる特許も中国勢が圧倒的なシェアを保有している【図1参照】。
データ解析会社IPリティックスのデータによれば、
5G関連の特許を保持する上位10社には
首位のファーウェイなど3社が名を連ねた。
その特許は5G端末に必要な部品、基地局、自動運転車の技術など多様だ。
中国勢が5G関連特許全体の36%を握っており、
クアルコムやインテルなど米国勢の14%を大きく上回っている。
そのためいくらファーウェイ製品の使用を禁止しても
5Gを導入するには、特許権使用料の支払いが避けられない。
したがって米国は「ファーウェイ製品を使うな」というが
「ファーウェイや中国の特許を使わない」とはいえない力関係にある。
世界知的所有権機関(WIPO)が公表した2018年の特許出願件数も
首位の米国(5万6142件)に
中国が(5万3345件)迫っている【グラフ1参照】。
さらにファーウェイは米グーグルが基本ソフトのメンテナンスをしない
と示唆したことも好機ととらえ、
独自基本ソフトの普及を進める姿勢を見せている。
これまで多くの携帯大手が独自基本ソフトをつくって普及を図ったが
失敗してきた経緯がある。
しかし「制裁」でグーグルの基本ソフトが使えなくなるなら
中国の携帯電話利用者がファーウェイの独自基本ソフトに乗り換える
可能性が高まるからだ。これもグーグルは 「制裁措置」と主張しているが、
実際は中国で莫大な顧客を失う ことと隣り合わせである。
こうして「強い米国」という定説は見る影もなく崩れ去っている。
そのなかで「中国は 包囲されている」
「制裁しているのは 米国だ」と煽り立て、
現実を伝えない国内メディアの姿は かつての大本営発表にも重なるものである。
この米中問題はアメリカに従属するか、中国に従属するか
という問題ではなく、急速に変化していく世界の潮流を敏感にとらえ、
日本の国益に沿った独自外交を どのように貫くかという問題である。
こうした世界の潮流から遊離した 米国一辺倒の外交政策を続けるなら、
“アジアの世紀”と呼ばれる情勢から 取り残されるほかない。
↑
「米中共倒れ」 「米中抱き合い無理心中」は 日本の国益になる。
両方とも「地球の癌細胞」です。
作画期: 嘉永前期 ~ 明治3年頃
画系 : 歌川國芳 門下
画号 : 一壽齋 一川 一川齋など 作
「亜墨利加蒸気舩 長四十間 巾六間」です。
☆晴れ。
「恫喝砲艦外交」の 下僕ども、
◆http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-d9b120.html
植草一秀の『知られざる真実』
2019年6月 9日 (日)
◎自民公約パンフは 「日本の明日を 切り刻む」 の誤記?
自民党が 参院選に向けての 公約を発表した。
公約資料の表紙には 「日本の明日を切り拓く」とあるが、
内容を見る限り「日本の明日を 切り刻む」が妥当である
と判断される。
自民党の国対が 通常国会の会期を延長しない方針を固めた
と伝えられている。
そうなると、国政選挙の日程は 7月21日ということになる。
通常国会会期末に 衆院を解散すれば衆参ダブル選となり、
衆院が解散されなければ参院選単独実施になる
参院選単独実施の場合は、10月の消費税率10%への引き上げを
強行する方針が維持される可能性が高い。
この場合、参院選の最大争点は 消費税増税の是非ということになる。
非常に分かりやすい選挙 になる。
消費税増税には まったく正当な根拠がない。
庶民を叩きのめして、大資本だけに甘い汁を吸わせる方針が
明確になる。
日本の主権者は、消費税増税の是非を問う選挙で、
消費税増税阻止の意思を 鮮明に示すべきである。
野党にもいろいろあり、野党を信用できないと思う主権者が多いが、
本年10月の 消費税率10%への引き上げについては、
一致して反対の意思が示されている。
わざわざ自民党の政調会長に 消費税増税の実施を要請する連合
のような組織が支持母体になっている政党が 存在することが
重大な問題であるが、野党共闘陣営では 消費税増税阻止が
共通公約に掲げられている。
したがって、参院選においては、消費税増税の是非
を最重要争点に位置付けることが必要だ。
主権者は 消費税増税阻止の意思 を明示するべきだ。
消費税増税を行うべきでない理由を 三つ挙げておく。
第一は、日本経済が深刻な不況に転落する可能性が極めて高いこと。
安倍内閣は消費税対策を講じるとアピールするが、
消費税増税の規模は年度ベースで5.5兆円を超える。
今後の10年間で考えれば 55兆円増税である。
安倍内閣が提示している消費税増税対策は 2兆円規模である。
55兆円の増税に2兆円の増税対策を講じて、
どれだけの意味があるのか。
これを「焼け石に水」という。
日本経済は昨年10月から、新たな景気後退局面に移行している
と見られる。
4月の景気動向指数が発表されたが、
景気の基調判断の「悪化」が維持された。
消費税増税を強行すれば、日本経済が深刻な不況に突入する
ことは確実である。
第二の問題は、消費税増税が日本の格差問題を
さらに深刻化させることだ。
所得税は格差を是正するメカニズム を内包している。
所得の少ない個人は 納税を免除される。
他方、所得の多い個人は 所得税納税義務を負うが、
税負担率は所得が増えるに連れて上昇する仕組み
が取られている。
この所得税制度が 所得分配の格差を是正する機能を有している。
1989年の消費税導入以降の税収推移を見ると、
消費税増税で得られた財源によって
法人税と所得税の大減税 が強行されてきたことが分かる。
消費税は 所得がゼロの個人からも税金をむしり取る制度である。
所得がゼロの子どもやお年寄りに対する税率と、
所得が100億円の個人に対する税率がまったく同じである。
所得の少ない階層には過酷で、富裕層には極めて緩い税制なのだ。
法人企業の内部留保は2017年末に 466兆円に達している。
法人企業の利益は2012年から2018年までに 倍増した。
労働者を踏み潰した結果として企業利益が倍増したのだが、
その法人に対して大減税が強行され続けてきた。
第三の問題は、消費税増税を価格に転嫁できない中小零細企業が、
消費者が負担するはずの消費税を肩代わり負担させられて、
廃業・倒産に追い込まれていることだ。
消費税増税強行方針が維持されて参院選に突入する場合、
日本の主権者は消費税増税阻止に向けて、
怒りの一票を 必ず投じるべきだ。
この行動が取られるなら、安倍内閣は選挙に負けて、
必ず総辞職に追い込まれることになるだろう。
歌川 芳員、二枚目、
「東都名所」 「御茶之水」です。
順風満帆ですな、
◆http://www.asyura2.com/19/senkyo261/msg/666.html
投稿者: 赤かぶ 日時: 2019 年 6 月 08 日 kNSCqYLU
◎<朝日新聞朝刊、見出しが最高!>
参院選 消費税争点化? れいわ新選組、廃止訴え 寄付1.6億円
反緊縮 野党同調 の動き
▼http://asyura.x0.to/imgup/d9/17147.jpg
☆https://digital.asahi.com/articles/ASM6653R5M66UTFK00V.html
朝日新聞 2019年6月7日
夏の参院選に向け、野党内に「消費税」を争点化する動きが出ている。
自民党は7日に発表した公約で 「10月の消費税率引き上げ」を明記。
野党はすでに消費増税反対で歩調を合わせるが、
消費税の廃止や税率の引き下げ を訴える声も出始めている。
野党で消費税廃止の急先鋒(きゅうせんぽう)が、
4月に「れいわ新選組」を立ち上げた 山本太郎参院議員(東京選挙区)だ。
山本氏は格差是正のため、消費税廃止と政府のさらなる財政出動など
「反 緊縮」を前面に打ち出す。
主張は話題を呼び、全国各地での街頭演説やインターネット上で
募った寄付は40日目で 1億円を超えた。
6月5日時点では1億6826万円に。
内訳は1千円や5千円など少額の寄付が6~7割を占めるという。
政治資金に詳しい日大法学部の岩井奉信教授は
「通常の個人献金の集め方では、これほどの金額は集まらない。
異例だ」と指摘する。
山本氏は「3億円で 参院選に10人擁立」など
集まった金額によって 選挙への対応を決めるとしており、
すでに独自候補の1人目として、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の
元事務局長、蓮池透氏の擁立を発表した。
格差是正をめざし、さらなる財政出動を求める主張は、
米民主党のオカシオ コルテス氏、英労働党の コービン氏ら
欧米で活発化する「反緊縮 左派」と重なるという指摘もある。
草の根から 野党超党派に「反緊縮」を呼びかけるキャンペーンを展開する
立命館大経済学部の松尾匡教授は
「大胆な財政出動を求める 反緊縮への訴えは
世界的なムーブメントであり、山本氏はようやく
日本に現れた最初の一人」とみる。
野党内にも こうした「反緊縮」に同調するような動き が出始めている。
国民民主党の玉木雄一郎代表は5日の定例会見で
「消費税の減税も 選択肢から否定するものではない」と発言。
立憲民主党が宮城選挙区に擁立した新顔の石垣のりこ氏や、
比例区に公認した新顔の おしどりマコ氏ら公認候補者も
「消費税 廃止」を訴えている。
ただ、民主党は与党時代に消費税率10%への引き上げを
自民、公明両党と合意した経緯があるだけに、
野党内にも消費減税への反発はある。
旧民進党系の衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」代表の
野田佳彦前首相は6日、記者団に「玉木代表まで言うとは驚いた。
減税までいうのはポピュリズムの極致だ」と強く批判している。
↑
野豚ホモ彦は 松下政経塾出(=資本の犬)の 売国奴です。
爺さんは 熊本で有名な「在日」 トロイの木馬ですよw
歌川 芳員、三枚目、
「坂田 金時」 「渡邉 綱」です。
支那の過大評価は 支那を利する、
5Gの安全性は 担保できるのか? 人命の軽きこと 鴻毛の如き民族だぞ、
◆https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/11908
長周新聞 2019年6月8日
◎通信技術覇権で 敗北する米国
5Gで先行する中国 技術開発の差は 歴然
米中貿易戦争をめぐって米国が中国への「制裁」を乱発している。
関税引き上げ対象を拡大し、米商務省はファーウェイ本社と関連68社に
米国製品の輸出を禁じる制裁措置も発動した。
民間企業レベルでも 米グーグルがファーウェイ製品の基本ソフト(OS)
を今後サポートしないと表明し、
日本の半導体メーカーや携帯電話大手までファーウェイとの取引停止や
新製品の販売延期に踏み切った。
だが中国側は譲歩するどころか強気の姿勢を崩していない。
国内メディアはこぞって「強いアメリカが 中国を追いつめている」と描くが、
世界の力関係は変化している。
次世代通信5Gの技術開発競争をめぐっても米国の衰退と
中国の台頭が顕著にあらわれている。
米国と韓国で4月3日、世界で初めて5Gの商用サービスが始まった。
もともとは韓国の通信大手3社(SKテレコム、KT、サムスン電子)が
4月5日に世界初のサービスを開始する予定だった。
それを「開始予定は4月11日」と宣伝していた米ベライゾンが突然、
発売日を変更して出し抜いた。
そして「アメリカの5Gが世界初」
「アメリカが最も先行している」と印象づけた。
ところが5Gをめぐる競争は米韓が中心ではない。
技術開発が先行しているのは中国であり、その中心に位置する企業が
ファーウェイだった。
米携帯業界団体・CTIAが4月に発表した「5Gへの対応度」の調査
(民間企業による5G試験や導入の進捗実績、電波の割り振り状況、
政府の戦略などを数値化して比較)によると、
19年度のスコアは首位の中国と米国が19、韓国が18、日本が17だった。
アメリカはこの開発競争で主導権を奪うため、ファーウェイ製品を排除したり
電子部品供給への規制を強めているが、中国側に失速する気配はない。
今月中にも国有3社(中国移動・チャイナモバイル、
中国電信・チャイナテレコム、中国聯通・チャイナユニコム)に
5Gの免許を交付し、5G本格運用の前倒しを進め始めた。
中国国内に5Gが使える環境を整備してファーウェイの収益底上げを図ること、
アメリカに先駆けて5Gを整備した中国市場の「対外開放」を
アピールして外資を受け入れ、米国が主導する経済圏を切り崩す狙いだ。
中国側は「対話したいならドアは開いている。戦いたいなら戦う。
準備はできている」(魏鳳和国防相)と強気の姿勢を見せている。
☆技術革新で 生活が変化
近年、メディアの露出が増えている5Gは
携帯通信技術の段階を示す名略称だ。
その主な流れを見ると
【1G】(第1世代、1980年代~)アナログ携帯電話方式(音声通話中心)
【2G】(第2世代、1993年~)デジタルへ移行(ネット接続)
【3G】(第3世代、2001年~)スマートフォン登場
【4G】(第4世代、2010年~)動画やゲームにも対応
【5G】(第5世代、2019年~)IoT(モノのインターネット)などに活用
と推移している。
この通信規格の技術革新のたびに生活環境が変化した。
当初の携帯電話は肩から提げるショルダーホンだったが、それが小型化し、
通話にとどまらずテレビやインターネット、動画送信機能まで加わった。
4Gの段階ではDVD1枚分のデータが約5分でダウンロードできる
まで技術は進歩している。
それが5Gになると大きく変わる。
これまで使っていた遠くに飛びやすい周波数の低い電波を使うのではなく、
スピードは速いが 届く範囲が短い 高周波の電波 を使うからだ。
電波の届く範囲が限られるため 従来より基地局を増やすことになるが、
高速・大容量・多接続通信が可能になる。
「高速・大容量」の分野では、4Gのとき
毎秒1ギガビットだった通信量が
5Gになると毎秒20ギガビットとなり、
通信速度が現在の約20倍早くなる。
データ通信の応答速度を左右する「遅延(レイテンシ)」分野も変化する。
遅延は命令を出して反応にかかる時間で、
機械やロボットを遠隔操作するときはこの遅延の数値が大きいと
事故やミスにつながる。
この遅延が4Gのとき10㍉秒(0・01秒)だったのが、
5Gになると1㍉秒(0・001秒)になる。
タイムラグは10分の1になり遠隔操作の実用化が進むことになる。
また「同時多接続」の能力が向上する。
4Gのとき1㌔平方㍍当りでインターネットに接続できる端末数は
10万台だった。 それが5Gになると1㌔平方㍍当り100万台に増える。
この能力向上によって「多人数がネット回線につなぐと
なかなかつながらない」 「動作が鈍くなる」という現象は改善される。
こうした技術の進歩は 暮らし全体をIoT(モノのインターネット)技術
を活用した 遠隔操作や 自動化の機能を搭載した家電製品市場の拡大を促し、
国全体の産業活性化にもつながる。
そのため国際市場では米国と中国を軸にした
通信技術の覇権争奪戦が過熱している。
この5Gをめぐる中国と米国の衝突は突然始まったものではない。
1980年代の第1世代(1G)登場時から続く携帯電話関連市場をめぐる
争奪戦の継続である。
世界の携帯通信市場の設備投資規模は8兆円をこしており、
これまでは米国政府と関係の深いエリクソン(スウェーデン)と
ノキア(フィンランド)の二強が主導権を握っていた。
そこに5G開発をめぐってファーウェイやZTEなどの中国勢が食い込み、
エリクソンとノキアの二強を脅かしている。
基地局ベンダー(通信機器メーカー)全売上高の世界シェア
(2018年、英調査会社IHSマークイット調べ)を見ると
世界市場213億㌦の内訳は、エリクソンが29%、ファーウェイが26%、
ノキアが23・4%、ZTEが11・7%であり、
ファーウェイが世界の首位争いに名乗りを上げている。
世界首位のエリクソンは、米クアルコムの基地局部門や
カナダ・ノーテルワークスの無線インフラ部門を買収した企業で
北米圏との関係が深い。
ノキアは米モトローラの通信インフラ部門や
米アルカテル・ルーセント(米AT&Tの流れをくむ企業)を買収した企業で
エリクソン以上にアメリカとの関係が密接である。
基地局は企業や個人の通信に欠かせない中枢施設であると同時に、
政府や軍事機関が使う中核施設である。
そのためアメリカは軍事力と同様に通信技術の開発を重視し、
常に独占的な地位を保つことを追求した。
そして4Gの段階ではエリクソンとノキアを軸にして、
GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と呼ばれる
米国企業集団が世界のネット市場を牛耳る態勢を構築した。
しかし5Gの技術開発を進めていく過程で 通信技術覇権が崩れ始めている。
2018年のスマートフォン世界出荷台数シェアを見ても、
サムスン電子(韓国)=20・8%、アップル(米国)=14・9%、
ファーウェイ(中国)=14・7%、シャオミ(中国)=8・7%、
OPPO(中国)=8・1%となり、
4Gで独占的地位を築いたアップルは 落ち目になっている。
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主要メーカーの5G関連必須特許数
ファーウェイなど新たに台頭してきた中国勢の特徴は
研究開発を重視していることだ。ファーウェイは毎年売上げの10%以上
を研究費にあてており、2017年の年間研究開発費は約1・5兆円
に達している。また18万人の社員のうち8万人超が研究開発に携わっている。
こうしたなか2018年の企業特許国際出願件数は
ファーウェイが5404件で1位となり、
2位の三菱電機(2812件)や3位のインテル(2499件)
を大きく引き離した。
2015年には「ファーウェイが利用したアップルの特許」(98件)より
「アップルが利用したファーウェイの特許」(769件)の方が多く
技術レベルの高さも浮き彫りになった。
また中国では2015年7月に「中国製造2025」を公布し、
国主導で技術開発を押し進めている。
そこでは「宇宙用設備や通信設備」をめぐって
「産官学連携の共同研究開発」を重視し、
「2025年までに 核心基礎部品とカギとなる基礎材料の
70%の自給を実現」することを目標に掲げた。
国揚げた技術開発計画が動くなかで「中国製品は 海賊版ばかり」
という古い常識はすでに変化している。
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{グラフ1}国際特許数の上位5カ国
一方、米国メーカーは技術革新そっちのけで
株主の高額配当を追求した結果、技術開発力は弱体化し、
企業間の訴訟や足の引っ張り合いが目立っている。
スマホ大手のアップルは当初提携していた米クアルコムと
特許をめぐる訴訟が過熱して同社から部品調達ができなくなり、
米インテルと5G用部品の開発に着手した。
しかし2020年まで商用出荷ができない事態になっている。
米グーグルは グーグル製基本ソフト(OS)を搭載しないアップル
の窮状に乗じて アップルの技術者引き抜きを進めている。
こうしたなかで中国勢が基地局ベンダー市場では
リクソンとノキアの牙城を突き崩し、
スマートフォン市場ではアップルを脅かしている。
もはやまともな技術開発競争で太刀打ちできないため、
国主導で 「制裁」や競争相手の排除に 乗り出したのがアメリカである。
そのためトランプ大統領は昨年8月、米国の国防権限法に署名した。
同法は「19年8月から米政府機関はファーウェイなど特定5社
(ファーウェイ、ZTE、ハイクビジョン、ダーファ、ハイテラ)
の機器・サービスの利用を禁止する。
「5社の機器を使った製品も利用を禁止する」
「20年8月からは5社の機器やサービスを利用している
企業との取引も禁止する」という内容だった。
それを受けて米国と諜報協定を結ぶ「ファイブアイズ」
(米国、カナダ、ニュージーランド、英国、オーストラリア)
の一員であるオーストラリア政府が追随姿勢を示し、
カナダと日本がファーウェイ排除の方針を決定した。
カナダは「イラン制裁に 違反した」と主張し、
ファーウェイの最高財務責任者(CFO)の逮捕に踏み切った。
2月中旬にはペンス副大統領とポンペオ国務長官が欧州諸国を回り
「ファーウェイのリスクを認識しない国とは 情報共有を控える」
と圧力をかけて回った。
ところが欧州近辺で米国と同一歩調をとる国はわずかで、
ファイブアイズの一員である英国ですら「リスクは 管理可能」と表明し、
無条件排除の姿勢は示さなかった。
反対に アイスランド、トルコ、ドイツ、バーレーン、アラブ首長国連邦、
スイス、韓国などはファーウェイ製品の使用を排除しないことを表明した。
ところが米国の対抗手段は「制裁」しかない。
そのため関税引き上げ対象を拡大したが、
大打撃を受ける米国内から批判が噴出した。
スポーツ用品大手や靴を扱う小売店170社が「関税引き上げ中止」
を求める書簡をトランプ大統領に送りつけ、
全米小麦生産者協会、米大豆協会、全米トウモロコシ生産者協会は
抗議の共同声明を発した。
さらにファーウェイへの「部品供給を止める」と圧力をかければ
中国側は「レアアースの 対米輸出を制限する」と主張し始めた。
レアアースは利用分野が広いうえ 中国から輸入の8割を依存しているため、
米国は関税引き上げ対象から除外していたが、やぶ蛇となっている。
そして今では 台湾海峡近辺に軍艦をうろつかせる「航行の自由作戦」ぐらい
しか恫喝手段はなくなっている。
☆携帯電話制す 中国 契約数も特許数も 歴然とした差
そもそも通信技術覇権をめぐる米国の「制裁」は
すでに勝負がついたなかでの悪あがきに過ぎない。
それは市場規模が余りに違うことを見ても歴然としている。
国際電気通信連合(ITU)が公表した2000年の携帯電話契約数
上位5カ国(1人で複数契約の事例あり)を見ると
①米国 1億 948万件
②中国 8526万件
③日本 6678万件
④ドイツ 4820万件
⑤イギリス 4225万件
となっており、当時は米国と日本が世界で大きなシェアを持っていた。
それが2017年になると
①中国 14億7410万件
②インド 11億6890万件
③インドネシア 4億5892万件
④米国 3億9588万件
⑤ブラジル 2億6349万件
となり勢力図は大きく変化した【図・携帯電話契約数上位国参照】。
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当然、中国の携帯電話市場はファーウェイをはじめとする中国勢が
握ることになる。さらにファーウェイはインドの携帯電話市場の
約7割を握るボーダフォン・アイデアセルラーや
バルティ・エアテルと5Gの試験設備を設置することで合意し
インド市場に参入する準備も進めている。
中国とインドの人口は今後も拡大するすう勢で、
国連は2030年になると2国だけで29億人をこすという推計【表1参照】
を明らかにしている。
他方、日本と米国の人口は2国合わせても5億人に届かない。
衰退する米国に追随して「制裁」に加担することは、
急激な成長を遂げる約30億人市場や50億人をこすアジア市場との
連携を閉ざし、米国とともに衰退していく道でしかない。
▼https://www.chosyu-journal.jp/wp-content/uploads/2019/06/
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人口上位20カ国の推計
5Gをめぐる特許も中国勢が圧倒的なシェアを保有している【図1参照】。
データ解析会社IPリティックスのデータによれば、
5G関連の特許を保持する上位10社には
首位のファーウェイなど3社が名を連ねた。
その特許は5G端末に必要な部品、基地局、自動運転車の技術など多様だ。
中国勢が5G関連特許全体の36%を握っており、
クアルコムやインテルなど米国勢の14%を大きく上回っている。
そのためいくらファーウェイ製品の使用を禁止しても
5Gを導入するには、特許権使用料の支払いが避けられない。
したがって米国は「ファーウェイ製品を使うな」というが
「ファーウェイや中国の特許を使わない」とはいえない力関係にある。
世界知的所有権機関(WIPO)が公表した2018年の特許出願件数も
首位の米国(5万6142件)に
中国が(5万3345件)迫っている【グラフ1参照】。
さらにファーウェイは米グーグルが基本ソフトのメンテナンスをしない
と示唆したことも好機ととらえ、
独自基本ソフトの普及を進める姿勢を見せている。
これまで多くの携帯大手が独自基本ソフトをつくって普及を図ったが
失敗してきた経緯がある。
しかし「制裁」でグーグルの基本ソフトが使えなくなるなら
中国の携帯電話利用者がファーウェイの独自基本ソフトに乗り換える
可能性が高まるからだ。これもグーグルは 「制裁措置」と主張しているが、
実際は中国で莫大な顧客を失う ことと隣り合わせである。
こうして「強い米国」という定説は見る影もなく崩れ去っている。
そのなかで「中国は 包囲されている」
「制裁しているのは 米国だ」と煽り立て、
現実を伝えない国内メディアの姿は かつての大本営発表にも重なるものである。
この米中問題はアメリカに従属するか、中国に従属するか
という問題ではなく、急速に変化していく世界の潮流を敏感にとらえ、
日本の国益に沿った独自外交を どのように貫くかという問題である。
こうした世界の潮流から遊離した 米国一辺倒の外交政策を続けるなら、
“アジアの世紀”と呼ばれる情勢から 取り残されるほかない。
↑
「米中共倒れ」 「米中抱き合い無理心中」は 日本の国益になる。
両方とも「地球の癌細胞」です。