画は 喜多川 歌麿 (きたがわ うたまろ)
宝暦3年(1753年) ~ 文化3年(1806年) 作
「二葉草七小町 あふむ小町」です。
☆晴れ。
どんずまり、
◆http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/dohazuretahuhaitoomoiagari.html
長周新聞 2016年2月15日付
度外れた腐敗と思いあがり
安倍政府の終焉を自己暴露
「美しい国」の散々な結末
安倍政府の終わりを暗示するかのように自民党国会議員の不祥事や
閣僚のスキャンダル、失言がこれでもかと浮上して連日メディアを賑わせている。
安倍自民党の再登板から3年が経過したが、
頼みの綱だったアベノミクスが吹き飛ぼうとしているなかで潮目は変化し、
ガタガタと崩れ去るように程度の悪さをさらけ出しているのである。
一連の不祥事や失言は、この3年の思い上がりを示すものにほかならない。
同時に、国政の劣化と腐敗が国民の想像をこえて進行していること、
何をするにも対米従属で 政治にも経済にも独立性がなく、
「国政」が子どもの玩具のような代物になっていること、
今時の永田町界隈には使い物にならない反知性とか
下品な輩が盤踞していることを示している。
☆品性のかけらもない自民党体質
今年に入り、1月には甘利明経済再生担当大臣(当時)が千葉県内の建設業者から
口利きの見返りに現金を受けとっていた疑惑が暴露され、
追い込まれて大臣を辞任していった。
千葉の建設会社が独立行政法人都市再生機構(UR)の道路工事に難癖をつけ、
工事開始前と開始後に約二億円超の補償金を受けとっていたが、
その後さらなる追加補償を求め、口利きを甘利事務所に依頼していたというものだった。
甘利やその秘書への資金提供や接待は1200万円にのぼるといわれ、
甘利本人も大臣室や事務所で計100万円の現金を受けとっていた。
URに対して甘利事務所が直接接触していた事実も明らかになっている。
一連の疑惑を要約すると「甘利事務所がヤクザの使い走りをして
国にゆすりたかりを働いていた」という悪質なものだ。
その後の自民党若手のスキャンダルや大臣の失言騒動にかき消されるようにして
甘利事件は陰に引っ込み、真相解明には至っていない。
安倍政府の重要閣僚といわれ、TPPやアベノミクスの成長戦略をはじめとした
経済政策を請け負ってきた者が、最後は涙目で表舞台から消えていくこととなった。
バッシング解禁は背後勢力が守らなかったことを伺わせた。
☆非常識で開き直る閣僚ら 丸川・高市・島尻
大臣たちが不勉強やいい加減さを自己暴露する例も続いている。
最近では丸川環境大臣が松本市でおこなわれた講演で、
福島第1原発事故の除染基準が年間被曝量を1㍉シーベルトとしていることに、
「『反放射能派』というと変だが、どれだけ(放射線量の安全基準値を)下げても
心配だという人は世の中にいる。そういう人たちが騒いだなかで、
何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた」などと発言した。
1㍉シーベルトは国際放射線防護委員会が参考値としている被曝線量「年1~20㍉」
のなかから、国が除染などによって達成する目標として決めたもので、
いわゆる科学者といわれる原子力の専門家たちが論議して決めたものにほかならない。
それを除染事業を担当する大臣みずからが、「科学的根拠などない」と
本音を丸出しにして驚かせた。
衆議院予算委員会では、放送行政のトップである高市早苗総務大臣が、
放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法四条の違反をくり返した場合、
電波法に基づき電波停止を命じる可能性について
「将来にわたり可能性がまったくないとはいえない」と答弁して物議を醸した。
政府にとって都合の悪い報道をする放送局には電波停止の措置を講じるというもので、
言論の自由などないという所管大臣の感覚が問題になった。
9日には沖縄・北方担当大臣である島尻安伊子が記者会見で、
北方4島の一つである「歯舞(はぼまい)群島」が読めず、
「はぼ…、何だったっけ」と言葉に詰まり、側にいた秘書官に「はぼまい」
とささやかれたことが話題となった。
「辺野古反対」を訴えて沖縄選挙区で当選したにもかかわらず、
あっさり辺野古容認に寝返えり、その後は小選挙区では落選したものの比例区で復活当選。
転向が認められて「沖縄・北方担当大臣」の席を与えられた。
ところが、担当している北方領土の代表的地名すら読めないほど勉強しておらず、
日頃から興味関心などない姿を披露した。
「北方領土を返せ!」といったところで所管の大臣が歯舞群島を知らない。
外務省のロシア担当者たちが世界で恥をかくことは必至で、
交渉の相手国であるロシアから笑いものにされても仕方がないような、
恥ずかしいものとなった。
こうして反知性を自己暴露するような人物たちが、
論功行賞や「女性活躍」の花飾りのようにして登用され、
はじめから無理があるものだから恥をかいている。
為政者側の本音として口にしてはならないことの区別がつかないこと、
官僚やその世界の受け売りで「反放射能派」等等とバカにするつもりが自爆したり、
改憲前から言論の自由を否定したり、なんともいえない世界を作り出している。
女性閣僚たちが、そのような意味で大活躍しはじめているのも特徴となっている。
☆下品極まる破廉恥続出 宮崎・武藤
甘利事件を覆い隠すような下品なインパクトを放ったのが「育休」議員から
たちまち「不倫休」議員へと転落した宮崎某だった。
同じく自民党国会議員である妻の出産に合わせて育休の取得を申し出て、
「イクメン議員」として一躍有名になったが、
妻が出産のために入院している最中に自宅に女性タレントを招き入れていた
ことが暴露され、議員を辞職していった。
議員辞職の会見では女性タレント以外にも複数の女性関係があったことを認め、
貞操観念など崩壊している男として世間の度肝を抜いた。
その報道に対して「うらやましい…」と発言して驚かせたのが
溝手顕正(自民党参院議員会長)で、
若手に限らず自民党のなかで思いを共有する土壌があることを示した。
安倍政府になってからというもの、いわゆる安倍チルドレンといわれる
若手議員たちの極端な自己アピールもひどいものがあった。
「沖縄の言論2紙をつぶさないといけない」の会合はじめ、
少しでも安倍晋三的な世界観にみずからを染め、
刺激的な発言やおべんちゃらをしてとり入っていく光景は、
女性閣僚たちに見られる傾向と共通のものがあった。
昨年には、衆議院議員の武藤貴也が安保法制反対の世論が盛り上がるなか、
ツイッターでSEALDsを批判し、
「彼ら彼女らの主張は『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、
極端な利己的考えに基づく。
利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、
非常に残念だ」と発信。
その後、未公開株詐欺が発覚し、知人に
「値上がり確実なソフトウェア会社の新規公開株を国会議員枠で買えるが、
資金がないので集めてくれ」と持ちかけて約4000万円を奪っていたことが暴露された。
出資者が返金を求めたところ、約800万円をみずからの借金返済にあてていた
ことも明らかになった。さらに議員宿舎に未成年の男性を連れ込み、
「俺の奴隷になるなら金を振り込む」と
金銭を渡して同性愛行為を強要していたことも明らかになった。
☆権力崩壊の下での腐敗 軽薄な「思想」弄び
「右」を弄べば首相に認められる。
それは滅私奉公を説いて詐欺や同性愛にふけっていた武藤に限らず
唐突に「八紘一宇」を説き始めた三原じゅん子、
籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子を見てもしかり、
「そもそも国民に主権があることがおかしい」と述べた西田昌司、
「立憲主義なんて聞いたことがない」の礒崎陽輔・自民党憲法起草委員会事務局長、
「立憲主義を守ると国が滅ぶ」といった船田元・自民党憲法改正推進本部本部長代行、
「終末患者は尊厳死させれば医療費が浮く」「最後はカネ目でしょ」の石原伸晃、
「(天皇に直訴した山本太郎に対して)山本太郎議員は 私なら直接殺す。
天誅を加えなきゃいかん」の鴻池祥肇・元防災担当相などの言動からもわかる。
出世への手っ取り早いツールが「右」ならば、「右」へ習えで
カメレオンのように変化して成り上がっていく風土が出来上がっていること、
そのような土壌で思い上がりだけが青天井になり、
詐欺や不倫、ヤクザの使い走りなどが境界線もなく蔓延し、
老いも若きも低俗極まりない姿を晒しているのである。
「日本を取り戻す!」「美しい国・ニッポン」と叫んで登場した安倍政府のもとで
3年が経ったがいまやアベノミクスが大破綻しようとしているなかで、
もともと脆弱だった権力基盤が崩壊に近づき、
身内からボロボロと破綻者が引きずり出されている。
これらは政治が劣化したという代物ではなく、もともと劣化している上に
度外れた腐敗が蔓延したことを暴露している。
国政や中央銀行を玩具にした政治が 終焉を迎えていることを実感させている。
歌麿、二枚目、
「福島左衛門」です。
「亡国条約=TPP」は消えたようですなw
◆http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2016/02/25/8029246
velvetmorning blog 2016/02/25
◎共和党内を説得して大統領一括交渉権限賛成票を集めた立役者のひとり
ロブ・ポートマン上院議員がTPP反対に態度を転換 ―
日刊ゲンダイに重要な記事が出ています。
昨年オバマ大統領がTPP協定の議会承認に道を開く第一歩として
一括交渉権限を求めた際に、共和党内を説得して賛成票を集めた立役者のひとり
ロブ・ポートマン上院議員がTPP反対に態度を転換した そうです。
以下引用
米大統領選 トランプ躍進でTPPは風前の灯
2016年2月25日
ドナルド・トランプがサウスカロライナ州の共和党予備選で圧勝した一因には、
彼の極端な反自由貿易、反TPPの言辞が、
同州に多い白人の低所得労働者層に大受けした事実があることを、
日本のメディアはほとんど伝えていない。
「老いぼれ政治家や外交官どもが通商交渉で大負けしたせいで
何百万もの雇用が失われた」
「私は、ビル・クリントン大統領がやった北米自由貿易協定を廃止し、
いま提案されているTPPはゴミ箱に放り込むことを、皆さんに誓約する」
以上引用 以下全文は
☆nikkan-gendai.com/articles/view/news/175961
さらに引用
共和党エスタブリッシュメントと呼ばれる同党の中心部分のインテリ層は、
トランプの発言を「デマゴギーだ」と批判しているものの、
民主党の本来的基盤であるプア・ホワイトを取り込まなければ
本選で勝てないのは自明なので、全体として反TPPに傾きつつある。
象徴的なのは、まさに同党エスタブリッシュメントの代表格である
ロブ・ポートマン上院議員がTPP反対に態度を転換したことだ。
彼は、昨年オバマ大統領がTPP協定の議会承認に道を開く第一歩として
一括交渉権限を求めた際に、共和党内を説得して賛成票を集めた立役者のひとり。
ブッシュ前政権で米通商代表を務めただけに、
共和党の自由貿易派の筆頭と目されていたが、
それがトランプに背中を押される格好でTPP反対に踏み切った影響は大きく、
オバマの任期中にTPPが議会を通る見通しはほぼ絶望的となった。
日本でも、たった一人で交渉に当たった甘利明大臣が消えて、
「事実上の日米自由貿易協定」といわれるTPPは
すでに風前の灯となりつつある。
以上引用 以下全文は
☆nikkan-gendai.com/articles/view/news/175961/2
STOP TPP!!
歌麿、三枚目、
「艶中八仙 盧敖(ろこう=黄安仙人) 丁子屋内 美作山 ちとり みとり」です。
よく整理された記事です、
◆http://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_202031/?p=1
Business Journal / 2016年2月26日
◎STAP問題の元凶は若山教授だと判明 …
恣意的な研究を主導、全責任を小保方氏に背負わせ
「私は、STAP細胞が正しいと確信したまま、墓場に行くだろう」
STAP論文の共著者であるチャールズ・バカンティ博士は、
米国誌「ニューヨーカー」(2月22日付電子版)の取材に対して、こう答えた。
2015年にもSTAP細胞の研究を続け、万能性を示す遺伝子の働きを確認したという。
また、「週刊新潮」(新潮社/2月11日号)では、
理化学研究所・CDB(発生・再生科学総合研究センター)副センター長だった
故・笹井芳樹博士の夫人が、インタビューにおいて次のように発言している。
「ただ、主人はSTAP現象そのものについては、
最後まで『ある』と思っていたと思います。
確かに主人の生前から『ES細胞が混入した』という疑惑が指摘され始めていました。
しかし、主人はそれこそ山のようにES細胞を見てきていた。
その目から見て、『あの細胞はESとは明らかに形が異なる』という話を、
家でもよくしていました」
ES細胞に関する世界トップクラスの科学者である2人が、
ES細胞とは明らかに異なるSTAP細胞の存在を確信していたのだ。
一体、あのSTAP騒動とはなんだったのだろうか――。
●ファクトベースで書かれた手記
小保方晴子氏が書いた手記『あの日』(講談社)が1月29日に発刊され、
この騒動の原因が明らかになってきた。
時系列に出来事が綴られて、その裏には、関係者間でやりとりされた
膨大なメールが存在していることがわかる。
さらに関係者の重要な発言は、今でもインターネットで確認できるものが多く、
ファクトベースで手記が書かれたことが理解できた。
いかにも科学者らしいロジカルな構成だと筆者は感じた。
しかし、本書に対しては「感情的だ」「手記でなく論文で主張すべき」などの
批判的な論調が多い。
特にテレビのコメンテーターなどの批判では、
「本は読みません。だって言い訳なんでしょ」などと呆れるものが多かった。
手記とは、著者が体験したことを著者の目で書いたものである。
出来事の記述以外に、著者の心象風景も描かれる。 それは当然のことだ。
特に小保方氏のように、過剰な偏向報道に晒された人物が書く手記に、
感情面が書かれないことはあり得ないだろう。
それでも本書では、可能な限りファクトベースで書くことを守ろうとした
小保方氏の信念を垣間見ることができる。
また、「手記でなく論文で主張すべき」と批判する人は、
小保方氏が早稲田大学から博士号を剥奪され、
研究する環境も失った現実 を知らないのだろうか。
小保方氏は騒動の渦中でも自由に発言する権限もなく、
わずかな反論さえもマスコミの圧倒的な個人攻撃の波で
かき消された過去を忘れたのだろうか。
このようないい加減な批判がまかり通るところに、
そもそものSTAP騒動の根幹があると筆者はみている。
●小保方氏が担当した実験は一部
STAP騒動を解明するために、基礎的な事実を整理しておこう。
小保方氏が「STAP細胞」実験の一部だけを担当していたという事実、
さらに論文撤回の理由は 小保方氏が「担当していない」実験の部分であった
という事実は、しばしば忘れられがちである。
いわゆるSTAP細胞をつくる工程は、
細胞を酸処理して培養し、細胞塊(スフェア)が多能性(多様な細胞になる可能性)
を示すOct4陽性(のちに「STAP現象」と呼ばれる)になるところまでと、
その細胞塊を初期胚に注入しキメラマウスをつくるまでの、
大きく分けて2つの工程がある。
小保方氏が担当していたのは前半部分の細胞塊をつくるまでである。
後半のキメラマウスをつくる工程は、当時小保方氏の上司であった
若山照彦氏(現山梨大学教授)が行っていた。
もう少し厳密にいえば、小保方氏が作製した細胞塊は増殖力が弱い
という特徴を持っているが、若山氏は増殖力のないそれから
増殖するように変化させ 幹細胞株化(後に「STAP幹細胞」と呼ばれる)
させるのが仕事だった。
つまり、「STAP現象」が小保方氏、「STAP幹細胞」が若山氏、という分担だが、
マスコミにより、「STAP現象」も「STAP幹細胞」も
「STAP細胞」と呼ばれるという混乱が発生する。
本書によれば、若山氏はキメラマウスをつくる技術を小保方氏に教えなかった。
小保方氏の要請に対して、「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、
もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこかに行っちゃうかもしれないから、
ヤダ」と答えたという。
この若山氏の言葉は見逃すことはできない。
なぜなら、STAP細胞実験を行っていた当時、小保方氏はCDB内の若山研究室(以下、若山研)
の一客員研究員にすぎなかったからである。
小保方氏の当時の所属は米ハーバード大学バカンティ研究室(以下、バカンティ研)であり、
若山氏は小保方氏の上司であり指導者という立場であった。
当時の小保方氏は、博士課程終了後に任期付きで研究員として働く
いわゆるポスドク、ポストドクターという身分だった。
不安定な身分であることが多く、日本国内には1万人以上いるといわれ、
当時の小保方氏もそのひとりであり、
所属する研究室の上司に逆らうことはできなかったのだ。
この弱い立場が、のちに巻き起こるマスコミのメディアスクラムに対抗できなかった
最大の理由である。
メディアがつくり上げた虚像によって、まるで小保方氏が
若山氏と同じ立場で力を持っていたかのように印象づけられていた。
●ストーリーありきの実験
話を元に戻す。
小保方氏は若山研の所属になる以前、留学先のハーバード大学で
バカンティ教授からSTAP細胞の初期のアイデアを得ていた。
バカンティ教授は、「非常に小さな胞子のようにストレスに強い共通の幹細胞が
全身の組織に存在しているのではないか」という仮説を提唱していた。
バカンティ教授はそれを「スポアライクステムセル(胞子様幹細胞)」と名付けていた。
小保方氏はその仮説を検証するために日夜研究に没頭し、
ついにその証拠(Oct4遺伝子発現)を得ることになる。
その結果をバカンティ教授の前で発表すると、バカンティ教授は、
両手で固くこぶしをつくった後に目を見開き、
「過去15年で最高のプレゼンテーションだった」と喜んだという。
しかし、細胞が多能性を持つかどうかを証明するには、
その細胞からキメラマウスを作製しなければならなかった。
現在の生命科学界ではそれが一番厳密な証明とされているからだ。
小保方氏はキメラマウスの実験を行うため、他の教授からの推薦もあり
「キメラマウス作製の第一人者」である若山氏を紹介され、
バカンティ研の所属のまま若山研の客員研究員となったのだ。
本書によれば、小保方氏はキメラマウスの作製方法を若山氏から教わることなく、
若山研で細胞塊の作製を淡々とこなすようになる。
いつしか研究は若山氏の主導のもと、海外の有力科学雑誌への論文投稿が目的化し、
論文のストーリーに合わせた実験へと変節していく。
「ストーリーに合わない、つじつまの合わないデータは使用しないように」
という指導まで小保方氏は受けている。
信じがたいことに、実験が正しいかどうかを判定するための「コントロール実験」も
行わなかったという。
研究メンバーも全員、若山氏の意向に沿うようになり、
強引な研究姿勢に異を唱える者もいなかった。
そもそもバカンティ教授の仮説から始まり小保方氏の検証から動き出した研究の主導権が、
完全に若山氏に渡ってしまい、ついには若山氏が特許配分51%を要求するまでになる。
バカンティ研所属でいながら若山研の客員研究員という複雑な立場の小保方氏は、
アメリカと日本の大先生の板挟みとなっていく。
小保方氏は、細胞で起こる「新たな現象」(STAP現象)の研究を深めていきたいと
若山研に移ったが、いつの間にか若山氏しか成功していない
「新たな幹細胞株の確立」(STAP幹細胞)の研究と論文作成を
部下として手伝う立場になっていた。
自ら選んだ研究テーマが、もはや自由に研究できる立場でなくなり、
しかも若山氏が主導した論文のストーリーに合わせた研究が続く毎日。
「もうアメリカに帰ろうと思っている」と研究メンバーに打ち明けた。
その直後、CDBの小さな研究室のユニットリーダーに募集しないかと声をかけられ、
自分が望む研究ができるならと面接を受け、
紆余曲折を経て小保方氏はCDBのユニットリーダーとなる。
●若山氏の責任
その間、若山研による論文投稿は難航していた。
その状況を劇的に変えたのが笹井氏だった。
笹井氏はネイチャー誌にいくつもの論文が掲載された実績を持ち、
世界的にも有名な科学者だった。
笹井氏の指導により、論文は見事に整理され、ネイチャーへの掲載も決まった。
そして笹井氏の命名により、小保方氏が検証した細胞の現象を「STAP」
(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency:刺激惹起性多能性獲得)
と呼ぶようになった。
この名称が示すように、「STAP」とは
小保方氏が検証した細胞の現象を示す意味合いが強かったことがわかる。
その後、論文に不備が見つかり、のちにこれが不正と判断されることにより
マスコミの過剰報道を交えた大混乱が起こったのは周知のことだろう。
画像の間違い等によるミスに関しては、
小保方氏は会見や本書において何度も謝罪をしている。
しかし、ポスドクの立場で部下として研究に携わり、当時の上司であり指導者であった
若山氏が主導した論文投稿に協力した小保方氏に、
全責任を負わせたのは明らかに間違いだといわざるを得ない。
若山氏は、小保方氏と同じ責任を負ったのだろうか。
いや指導者という立場であれば、研究員への指導責任により
はるかに重い責任が負わされたとしてもおかしくはないだろう。
2月11日付当サイト記事において、東京大学医科学研究所特任教授の上昌広氏は、
加藤茂明・東京大学分子細胞生物学研究所教授(当時)が
責任著者として発表した複数の論文のなかに
グループメンバーの一部による不正あったことに対する監督責任を取って、
東大教授を辞職した例を挙げ、
「なぜ、加藤氏と若山教授の扱いが、こんなに違ってしまうのだろう」と指摘している。
さらに、若山氏が15年に、「絶滅動物の細胞再生および有用遺伝子回収方法の確立」
というテーマで、基盤研究(A)として年間975万円の研究費を受け取っていたという事実から、
「文科省のガイドラインに準じれば、そもそも彼には科研費に応募する資格がない。
なぜ、山梨大も文科省も、このことを議論しなかったのだろう」と指摘している。
前述のとおり、STAP論文撤回の理由は小保方氏が「担当していない」実験の部分であったが、
世間では小保方氏の画像の間違い等による不正認定が原因だと広く認識されている。
次回は、その真相を探っていく。
そこには、若山氏が責任を回避したマジックが隠されているのだ。
(文=大宅健一郎/ジャーナリスト)
↑
狸顔の若山照彦w
ビッグファーマからの圧力かな?
宝暦3年(1753年) ~ 文化3年(1806年) 作
「二葉草七小町 あふむ小町」です。
☆晴れ。
どんずまり、
◆http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/dohazuretahuhaitoomoiagari.html
長周新聞 2016年2月15日付
度外れた腐敗と思いあがり
安倍政府の終焉を自己暴露
「美しい国」の散々な結末
安倍政府の終わりを暗示するかのように自民党国会議員の不祥事や
閣僚のスキャンダル、失言がこれでもかと浮上して連日メディアを賑わせている。
安倍自民党の再登板から3年が経過したが、
頼みの綱だったアベノミクスが吹き飛ぼうとしているなかで潮目は変化し、
ガタガタと崩れ去るように程度の悪さをさらけ出しているのである。
一連の不祥事や失言は、この3年の思い上がりを示すものにほかならない。
同時に、国政の劣化と腐敗が国民の想像をこえて進行していること、
何をするにも対米従属で 政治にも経済にも独立性がなく、
「国政」が子どもの玩具のような代物になっていること、
今時の永田町界隈には使い物にならない反知性とか
下品な輩が盤踞していることを示している。
☆品性のかけらもない自民党体質
今年に入り、1月には甘利明経済再生担当大臣(当時)が千葉県内の建設業者から
口利きの見返りに現金を受けとっていた疑惑が暴露され、
追い込まれて大臣を辞任していった。
千葉の建設会社が独立行政法人都市再生機構(UR)の道路工事に難癖をつけ、
工事開始前と開始後に約二億円超の補償金を受けとっていたが、
その後さらなる追加補償を求め、口利きを甘利事務所に依頼していたというものだった。
甘利やその秘書への資金提供や接待は1200万円にのぼるといわれ、
甘利本人も大臣室や事務所で計100万円の現金を受けとっていた。
URに対して甘利事務所が直接接触していた事実も明らかになっている。
一連の疑惑を要約すると「甘利事務所がヤクザの使い走りをして
国にゆすりたかりを働いていた」という悪質なものだ。
その後の自民党若手のスキャンダルや大臣の失言騒動にかき消されるようにして
甘利事件は陰に引っ込み、真相解明には至っていない。
安倍政府の重要閣僚といわれ、TPPやアベノミクスの成長戦略をはじめとした
経済政策を請け負ってきた者が、最後は涙目で表舞台から消えていくこととなった。
バッシング解禁は背後勢力が守らなかったことを伺わせた。
☆非常識で開き直る閣僚ら 丸川・高市・島尻
大臣たちが不勉強やいい加減さを自己暴露する例も続いている。
最近では丸川環境大臣が松本市でおこなわれた講演で、
福島第1原発事故の除染基準が年間被曝量を1㍉シーベルトとしていることに、
「『反放射能派』というと変だが、どれだけ(放射線量の安全基準値を)下げても
心配だという人は世の中にいる。そういう人たちが騒いだなかで、
何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた」などと発言した。
1㍉シーベルトは国際放射線防護委員会が参考値としている被曝線量「年1~20㍉」
のなかから、国が除染などによって達成する目標として決めたもので、
いわゆる科学者といわれる原子力の専門家たちが論議して決めたものにほかならない。
それを除染事業を担当する大臣みずからが、「科学的根拠などない」と
本音を丸出しにして驚かせた。
衆議院予算委員会では、放送行政のトップである高市早苗総務大臣が、
放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法四条の違反をくり返した場合、
電波法に基づき電波停止を命じる可能性について
「将来にわたり可能性がまったくないとはいえない」と答弁して物議を醸した。
政府にとって都合の悪い報道をする放送局には電波停止の措置を講じるというもので、
言論の自由などないという所管大臣の感覚が問題になった。
9日には沖縄・北方担当大臣である島尻安伊子が記者会見で、
北方4島の一つである「歯舞(はぼまい)群島」が読めず、
「はぼ…、何だったっけ」と言葉に詰まり、側にいた秘書官に「はぼまい」
とささやかれたことが話題となった。
「辺野古反対」を訴えて沖縄選挙区で当選したにもかかわらず、
あっさり辺野古容認に寝返えり、その後は小選挙区では落選したものの比例区で復活当選。
転向が認められて「沖縄・北方担当大臣」の席を与えられた。
ところが、担当している北方領土の代表的地名すら読めないほど勉強しておらず、
日頃から興味関心などない姿を披露した。
「北方領土を返せ!」といったところで所管の大臣が歯舞群島を知らない。
外務省のロシア担当者たちが世界で恥をかくことは必至で、
交渉の相手国であるロシアから笑いものにされても仕方がないような、
恥ずかしいものとなった。
こうして反知性を自己暴露するような人物たちが、
論功行賞や「女性活躍」の花飾りのようにして登用され、
はじめから無理があるものだから恥をかいている。
為政者側の本音として口にしてはならないことの区別がつかないこと、
官僚やその世界の受け売りで「反放射能派」等等とバカにするつもりが自爆したり、
改憲前から言論の自由を否定したり、なんともいえない世界を作り出している。
女性閣僚たちが、そのような意味で大活躍しはじめているのも特徴となっている。
☆下品極まる破廉恥続出 宮崎・武藤
甘利事件を覆い隠すような下品なインパクトを放ったのが「育休」議員から
たちまち「不倫休」議員へと転落した宮崎某だった。
同じく自民党国会議員である妻の出産に合わせて育休の取得を申し出て、
「イクメン議員」として一躍有名になったが、
妻が出産のために入院している最中に自宅に女性タレントを招き入れていた
ことが暴露され、議員を辞職していった。
議員辞職の会見では女性タレント以外にも複数の女性関係があったことを認め、
貞操観念など崩壊している男として世間の度肝を抜いた。
その報道に対して「うらやましい…」と発言して驚かせたのが
溝手顕正(自民党参院議員会長)で、
若手に限らず自民党のなかで思いを共有する土壌があることを示した。
安倍政府になってからというもの、いわゆる安倍チルドレンといわれる
若手議員たちの極端な自己アピールもひどいものがあった。
「沖縄の言論2紙をつぶさないといけない」の会合はじめ、
少しでも安倍晋三的な世界観にみずからを染め、
刺激的な発言やおべんちゃらをしてとり入っていく光景は、
女性閣僚たちに見られる傾向と共通のものがあった。
昨年には、衆議院議員の武藤貴也が安保法制反対の世論が盛り上がるなか、
ツイッターでSEALDsを批判し、
「彼ら彼女らの主張は『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、
極端な利己的考えに基づく。
利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、
非常に残念だ」と発信。
その後、未公開株詐欺が発覚し、知人に
「値上がり確実なソフトウェア会社の新規公開株を国会議員枠で買えるが、
資金がないので集めてくれ」と持ちかけて約4000万円を奪っていたことが暴露された。
出資者が返金を求めたところ、約800万円をみずからの借金返済にあてていた
ことも明らかになった。さらに議員宿舎に未成年の男性を連れ込み、
「俺の奴隷になるなら金を振り込む」と
金銭を渡して同性愛行為を強要していたことも明らかになった。
☆権力崩壊の下での腐敗 軽薄な「思想」弄び
「右」を弄べば首相に認められる。
それは滅私奉公を説いて詐欺や同性愛にふけっていた武藤に限らず
唐突に「八紘一宇」を説き始めた三原じゅん子、
籾井勝人NHK会長、百田尚樹、長谷川三千子を見てもしかり、
「そもそも国民に主権があることがおかしい」と述べた西田昌司、
「立憲主義なんて聞いたことがない」の礒崎陽輔・自民党憲法起草委員会事務局長、
「立憲主義を守ると国が滅ぶ」といった船田元・自民党憲法改正推進本部本部長代行、
「終末患者は尊厳死させれば医療費が浮く」「最後はカネ目でしょ」の石原伸晃、
「(天皇に直訴した山本太郎に対して)山本太郎議員は 私なら直接殺す。
天誅を加えなきゃいかん」の鴻池祥肇・元防災担当相などの言動からもわかる。
出世への手っ取り早いツールが「右」ならば、「右」へ習えで
カメレオンのように変化して成り上がっていく風土が出来上がっていること、
そのような土壌で思い上がりだけが青天井になり、
詐欺や不倫、ヤクザの使い走りなどが境界線もなく蔓延し、
老いも若きも低俗極まりない姿を晒しているのである。
「日本を取り戻す!」「美しい国・ニッポン」と叫んで登場した安倍政府のもとで
3年が経ったがいまやアベノミクスが大破綻しようとしているなかで、
もともと脆弱だった権力基盤が崩壊に近づき、
身内からボロボロと破綻者が引きずり出されている。
これらは政治が劣化したという代物ではなく、もともと劣化している上に
度外れた腐敗が蔓延したことを暴露している。
国政や中央銀行を玩具にした政治が 終焉を迎えていることを実感させている。
歌麿、二枚目、
「福島左衛門」です。
「亡国条約=TPP」は消えたようですなw
◆http://velvetmorning.asablo.jp/blog/2016/02/25/8029246
velvetmorning blog 2016/02/25
◎共和党内を説得して大統領一括交渉権限賛成票を集めた立役者のひとり
ロブ・ポートマン上院議員がTPP反対に態度を転換 ―
日刊ゲンダイに重要な記事が出ています。
昨年オバマ大統領がTPP協定の議会承認に道を開く第一歩として
一括交渉権限を求めた際に、共和党内を説得して賛成票を集めた立役者のひとり
ロブ・ポートマン上院議員がTPP反対に態度を転換した そうです。
以下引用
米大統領選 トランプ躍進でTPPは風前の灯
2016年2月25日
ドナルド・トランプがサウスカロライナ州の共和党予備選で圧勝した一因には、
彼の極端な反自由貿易、反TPPの言辞が、
同州に多い白人の低所得労働者層に大受けした事実があることを、
日本のメディアはほとんど伝えていない。
「老いぼれ政治家や外交官どもが通商交渉で大負けしたせいで
何百万もの雇用が失われた」
「私は、ビル・クリントン大統領がやった北米自由貿易協定を廃止し、
いま提案されているTPPはゴミ箱に放り込むことを、皆さんに誓約する」
以上引用 以下全文は
☆nikkan-gendai.com/articles/view/news/175961
さらに引用
共和党エスタブリッシュメントと呼ばれる同党の中心部分のインテリ層は、
トランプの発言を「デマゴギーだ」と批判しているものの、
民主党の本来的基盤であるプア・ホワイトを取り込まなければ
本選で勝てないのは自明なので、全体として反TPPに傾きつつある。
象徴的なのは、まさに同党エスタブリッシュメントの代表格である
ロブ・ポートマン上院議員がTPP反対に態度を転換したことだ。
彼は、昨年オバマ大統領がTPP協定の議会承認に道を開く第一歩として
一括交渉権限を求めた際に、共和党内を説得して賛成票を集めた立役者のひとり。
ブッシュ前政権で米通商代表を務めただけに、
共和党の自由貿易派の筆頭と目されていたが、
それがトランプに背中を押される格好でTPP反対に踏み切った影響は大きく、
オバマの任期中にTPPが議会を通る見通しはほぼ絶望的となった。
日本でも、たった一人で交渉に当たった甘利明大臣が消えて、
「事実上の日米自由貿易協定」といわれるTPPは
すでに風前の灯となりつつある。
以上引用 以下全文は
☆nikkan-gendai.com/articles/view/news/175961/2
STOP TPP!!
歌麿、三枚目、
「艶中八仙 盧敖(ろこう=黄安仙人) 丁子屋内 美作山 ちとり みとり」です。
よく整理された記事です、
◆http://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_202031/?p=1
Business Journal / 2016年2月26日
◎STAP問題の元凶は若山教授だと判明 …
恣意的な研究を主導、全責任を小保方氏に背負わせ
「私は、STAP細胞が正しいと確信したまま、墓場に行くだろう」
STAP論文の共著者であるチャールズ・バカンティ博士は、
米国誌「ニューヨーカー」(2月22日付電子版)の取材に対して、こう答えた。
2015年にもSTAP細胞の研究を続け、万能性を示す遺伝子の働きを確認したという。
また、「週刊新潮」(新潮社/2月11日号)では、
理化学研究所・CDB(発生・再生科学総合研究センター)副センター長だった
故・笹井芳樹博士の夫人が、インタビューにおいて次のように発言している。
「ただ、主人はSTAP現象そのものについては、
最後まで『ある』と思っていたと思います。
確かに主人の生前から『ES細胞が混入した』という疑惑が指摘され始めていました。
しかし、主人はそれこそ山のようにES細胞を見てきていた。
その目から見て、『あの細胞はESとは明らかに形が異なる』という話を、
家でもよくしていました」
ES細胞に関する世界トップクラスの科学者である2人が、
ES細胞とは明らかに異なるSTAP細胞の存在を確信していたのだ。
一体、あのSTAP騒動とはなんだったのだろうか――。
●ファクトベースで書かれた手記
小保方晴子氏が書いた手記『あの日』(講談社)が1月29日に発刊され、
この騒動の原因が明らかになってきた。
時系列に出来事が綴られて、その裏には、関係者間でやりとりされた
膨大なメールが存在していることがわかる。
さらに関係者の重要な発言は、今でもインターネットで確認できるものが多く、
ファクトベースで手記が書かれたことが理解できた。
いかにも科学者らしいロジカルな構成だと筆者は感じた。
しかし、本書に対しては「感情的だ」「手記でなく論文で主張すべき」などの
批判的な論調が多い。
特にテレビのコメンテーターなどの批判では、
「本は読みません。だって言い訳なんでしょ」などと呆れるものが多かった。
手記とは、著者が体験したことを著者の目で書いたものである。
出来事の記述以外に、著者の心象風景も描かれる。 それは当然のことだ。
特に小保方氏のように、過剰な偏向報道に晒された人物が書く手記に、
感情面が書かれないことはあり得ないだろう。
それでも本書では、可能な限りファクトベースで書くことを守ろうとした
小保方氏の信念を垣間見ることができる。
また、「手記でなく論文で主張すべき」と批判する人は、
小保方氏が早稲田大学から博士号を剥奪され、
研究する環境も失った現実 を知らないのだろうか。
小保方氏は騒動の渦中でも自由に発言する権限もなく、
わずかな反論さえもマスコミの圧倒的な個人攻撃の波で
かき消された過去を忘れたのだろうか。
このようないい加減な批判がまかり通るところに、
そもそものSTAP騒動の根幹があると筆者はみている。
●小保方氏が担当した実験は一部
STAP騒動を解明するために、基礎的な事実を整理しておこう。
小保方氏が「STAP細胞」実験の一部だけを担当していたという事実、
さらに論文撤回の理由は 小保方氏が「担当していない」実験の部分であった
という事実は、しばしば忘れられがちである。
いわゆるSTAP細胞をつくる工程は、
細胞を酸処理して培養し、細胞塊(スフェア)が多能性(多様な細胞になる可能性)
を示すOct4陽性(のちに「STAP現象」と呼ばれる)になるところまでと、
その細胞塊を初期胚に注入しキメラマウスをつくるまでの、
大きく分けて2つの工程がある。
小保方氏が担当していたのは前半部分の細胞塊をつくるまでである。
後半のキメラマウスをつくる工程は、当時小保方氏の上司であった
若山照彦氏(現山梨大学教授)が行っていた。
もう少し厳密にいえば、小保方氏が作製した細胞塊は増殖力が弱い
という特徴を持っているが、若山氏は増殖力のないそれから
増殖するように変化させ 幹細胞株化(後に「STAP幹細胞」と呼ばれる)
させるのが仕事だった。
つまり、「STAP現象」が小保方氏、「STAP幹細胞」が若山氏、という分担だが、
マスコミにより、「STAP現象」も「STAP幹細胞」も
「STAP細胞」と呼ばれるという混乱が発生する。
本書によれば、若山氏はキメラマウスをつくる技術を小保方氏に教えなかった。
小保方氏の要請に対して、「小保方さんが自分でできるようになっちゃったら、
もう僕のことを必要としてくれなくなって、どこかに行っちゃうかもしれないから、
ヤダ」と答えたという。
この若山氏の言葉は見逃すことはできない。
なぜなら、STAP細胞実験を行っていた当時、小保方氏はCDB内の若山研究室(以下、若山研)
の一客員研究員にすぎなかったからである。
小保方氏の当時の所属は米ハーバード大学バカンティ研究室(以下、バカンティ研)であり、
若山氏は小保方氏の上司であり指導者という立場であった。
当時の小保方氏は、博士課程終了後に任期付きで研究員として働く
いわゆるポスドク、ポストドクターという身分だった。
不安定な身分であることが多く、日本国内には1万人以上いるといわれ、
当時の小保方氏もそのひとりであり、
所属する研究室の上司に逆らうことはできなかったのだ。
この弱い立場が、のちに巻き起こるマスコミのメディアスクラムに対抗できなかった
最大の理由である。
メディアがつくり上げた虚像によって、まるで小保方氏が
若山氏と同じ立場で力を持っていたかのように印象づけられていた。
●ストーリーありきの実験
話を元に戻す。
小保方氏は若山研の所属になる以前、留学先のハーバード大学で
バカンティ教授からSTAP細胞の初期のアイデアを得ていた。
バカンティ教授は、「非常に小さな胞子のようにストレスに強い共通の幹細胞が
全身の組織に存在しているのではないか」という仮説を提唱していた。
バカンティ教授はそれを「スポアライクステムセル(胞子様幹細胞)」と名付けていた。
小保方氏はその仮説を検証するために日夜研究に没頭し、
ついにその証拠(Oct4遺伝子発現)を得ることになる。
その結果をバカンティ教授の前で発表すると、バカンティ教授は、
両手で固くこぶしをつくった後に目を見開き、
「過去15年で最高のプレゼンテーションだった」と喜んだという。
しかし、細胞が多能性を持つかどうかを証明するには、
その細胞からキメラマウスを作製しなければならなかった。
現在の生命科学界ではそれが一番厳密な証明とされているからだ。
小保方氏はキメラマウスの実験を行うため、他の教授からの推薦もあり
「キメラマウス作製の第一人者」である若山氏を紹介され、
バカンティ研の所属のまま若山研の客員研究員となったのだ。
本書によれば、小保方氏はキメラマウスの作製方法を若山氏から教わることなく、
若山研で細胞塊の作製を淡々とこなすようになる。
いつしか研究は若山氏の主導のもと、海外の有力科学雑誌への論文投稿が目的化し、
論文のストーリーに合わせた実験へと変節していく。
「ストーリーに合わない、つじつまの合わないデータは使用しないように」
という指導まで小保方氏は受けている。
信じがたいことに、実験が正しいかどうかを判定するための「コントロール実験」も
行わなかったという。
研究メンバーも全員、若山氏の意向に沿うようになり、
強引な研究姿勢に異を唱える者もいなかった。
そもそもバカンティ教授の仮説から始まり小保方氏の検証から動き出した研究の主導権が、
完全に若山氏に渡ってしまい、ついには若山氏が特許配分51%を要求するまでになる。
バカンティ研所属でいながら若山研の客員研究員という複雑な立場の小保方氏は、
アメリカと日本の大先生の板挟みとなっていく。
小保方氏は、細胞で起こる「新たな現象」(STAP現象)の研究を深めていきたいと
若山研に移ったが、いつの間にか若山氏しか成功していない
「新たな幹細胞株の確立」(STAP幹細胞)の研究と論文作成を
部下として手伝う立場になっていた。
自ら選んだ研究テーマが、もはや自由に研究できる立場でなくなり、
しかも若山氏が主導した論文のストーリーに合わせた研究が続く毎日。
「もうアメリカに帰ろうと思っている」と研究メンバーに打ち明けた。
その直後、CDBの小さな研究室のユニットリーダーに募集しないかと声をかけられ、
自分が望む研究ができるならと面接を受け、
紆余曲折を経て小保方氏はCDBのユニットリーダーとなる。
●若山氏の責任
その間、若山研による論文投稿は難航していた。
その状況を劇的に変えたのが笹井氏だった。
笹井氏はネイチャー誌にいくつもの論文が掲載された実績を持ち、
世界的にも有名な科学者だった。
笹井氏の指導により、論文は見事に整理され、ネイチャーへの掲載も決まった。
そして笹井氏の命名により、小保方氏が検証した細胞の現象を「STAP」
(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency:刺激惹起性多能性獲得)
と呼ぶようになった。
この名称が示すように、「STAP」とは
小保方氏が検証した細胞の現象を示す意味合いが強かったことがわかる。
その後、論文に不備が見つかり、のちにこれが不正と判断されることにより
マスコミの過剰報道を交えた大混乱が起こったのは周知のことだろう。
画像の間違い等によるミスに関しては、
小保方氏は会見や本書において何度も謝罪をしている。
しかし、ポスドクの立場で部下として研究に携わり、当時の上司であり指導者であった
若山氏が主導した論文投稿に協力した小保方氏に、
全責任を負わせたのは明らかに間違いだといわざるを得ない。
若山氏は、小保方氏と同じ責任を負ったのだろうか。
いや指導者という立場であれば、研究員への指導責任により
はるかに重い責任が負わされたとしてもおかしくはないだろう。
2月11日付当サイト記事において、東京大学医科学研究所特任教授の上昌広氏は、
加藤茂明・東京大学分子細胞生物学研究所教授(当時)が
責任著者として発表した複数の論文のなかに
グループメンバーの一部による不正あったことに対する監督責任を取って、
東大教授を辞職した例を挙げ、
「なぜ、加藤氏と若山教授の扱いが、こんなに違ってしまうのだろう」と指摘している。
さらに、若山氏が15年に、「絶滅動物の細胞再生および有用遺伝子回収方法の確立」
というテーマで、基盤研究(A)として年間975万円の研究費を受け取っていたという事実から、
「文科省のガイドラインに準じれば、そもそも彼には科研費に応募する資格がない。
なぜ、山梨大も文科省も、このことを議論しなかったのだろう」と指摘している。
前述のとおり、STAP論文撤回の理由は小保方氏が「担当していない」実験の部分であったが、
世間では小保方氏の画像の間違い等による不正認定が原因だと広く認識されている。
次回は、その真相を探っていく。
そこには、若山氏が責任を回避したマジックが隠されているのだ。
(文=大宅健一郎/ジャーナリスト)
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