画は ピエール=オーギュスト・ルノワール
Pierre-Augustê Renoir
1841-1919 / フランス / 印象派 作
「Woman-with-a-parasol-in-a-garden-1875」
☆晴れ。
戦争の狂犬=ユダ米、
◆http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/ajiawohinoumininagekomuna.html
長周新聞 2017年4月10日付
アジアを火の海に投げこむな
朝鮮半島めぐる緊迫した情勢
報復攻撃の的にされる日本列島
北朝鮮のミサイル発射や核開発を口実にして、
米政府が軍事挑発をエスカレートさせている。
米トランプ政府は北朝鮮への先制攻撃も辞さないこと、
単独行動をする用意があることを表明し、朝鮮半島へ原子力空母を急派した。
これと連動して安倍政府は朝鮮への経済制裁延長を決めたうえに
「敵基地攻撃能力の保有」を急ぎ、全面戦争をも辞さない構えを見せている。
一方、北朝鮮は「ミサイルの標的は在日米軍基地」と表明し、
その飛距離からして岩国基地が攻撃対象になると見られており、
基地の街では緊張感が高まっている。
朝鮮半島周辺ではこの間、過去最大の30万人が参加して米韓軍事演習をくり広げ、
これに反発する形で北朝鮮がミサイル発射をくり返してきた。
アジアを火の海に投げ込みかねない軍事衝突の危機が深まっており、
米軍の行動如何によってはミサイル攻撃の標的にされかねない日本社会
にとっても無関係でおれない事態を迎えている。
☆米韓軍事演習で挑発した結果
北朝鮮が核開発やミサイル発射実験をするのは朝鮮戦争以来、
アメリカが日韓に大量の核兵器を配備し、朝鮮侵略計画に基づく
大規模演習を毎年続け、核攻撃態勢を強めていることが根源である。
近年の米軍再編をみても、朝鮮や中国をにらんだ
高性能のミサイル発射機能を持つイージス艦を配備し、
横須賀に原子力空母を配備し、
青森にミサイル攻撃機能を高める米軍のXバンドレーダーを配備する
など攻撃態勢の意図は露骨である。
とりわけ、米海兵隊基地のなかでもっとも朝鮮半島に近い岩国基地は
格段の増強を図っている。
厚木基地所属の核搭載可能な空母艦載機59機と兵員を
今年7月から移す準備を進め、最新鋭ステルス戦闘機F35や
垂直離着陸可能な戦闘ヘリ・オスプレイを配備し、
3月末には近くの広島・呉基地に海上自衛隊最大のヘリ空母「かが」
(基準排水量1万9500㌧)を配備した。
ヘリ空母は滑走路が必要な戦闘機が離着陸する装置はないが、
広い甲板を持ち戦闘ヘリやF35Bなど垂直離着陸機は自在に運用できる。
「かが」就役で自衛隊保有のヘリ空母は「ひゅうが」「いせ」「いずも」
とあわせ4隻体制になった。
朝鮮有事となれば、岩国基地のF35を「かが」に積んで出撃したり、
自衛隊の艦船が米軍機を運ぶ体制にほかならない。
岩国配備の空母艦載機は真っ先に最前線の攻撃に加わる体制をとることになる。
こうした動きに加え3月から4月末まで米韓軍が大規模軍事演習
「フォールイーグル」を実施している。
米原子力空母カール・ビンソンを中心とする米空母打撃群、
佐世保基地配備の強襲揚陸艦ボノム・リシャール、
韓国海軍のイージス駆逐艦、原子力潜水艦など60隻余りを
朝鮮半島近辺に集結させ、事実上の軍事包囲体制をとった。
岩国基地所属のF35やグアム配備の戦略爆撃機のB2やB52、
米国本土のステルス爆撃機B2、在韓米軍基地のステルス戦闘機F22など
あらゆる最新戦闘機も動員した。
各国の首脳暗殺や政権転覆作戦を実行するシールズ(米海軍特殊精鋭部隊)や
グリーン・ベレー、デルタフォースなど
もっとも野蛮な特殊暗殺部隊を本格参加させ、総勢32万人もの米韓軍が
朝鮮半島近辺で実戦さながらの爆撃・侵攻訓練を繰り広げた。
演習は「北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候があれば30分以内に先制打撃する」
もので、アメリカの指揮棒で
わずか30分以内で日韓の米軍基地から軍事攻撃を開始する危険な内容である。
同演習の方向性を示す「テーラーメード型抑止戦略」や4D作戦は
きわめて具体的で、先制攻撃を仕掛けて北朝鮮のミサイル基地を破壊した後、
首脳陣の斬首・除去を実行し、平壌を占領することを想定していた。
朝鮮半島はいまだに休戦状態が継続し、戦争が終結していない。
その近辺でわざわざ大規模軍事演習をやるのは軍事挑発にほかならない。
軍事緊張を極限まで高めて相手に手を出させ、野蛮な殺戮に踏みきって
支配下に置くのが、アメリカが戦争を引き起こすとき使う常套手段である。
☆米国は単独行動表明 防衛ではなく先制攻撃
今回もさんざん軍事挑発した結果、案の定、北朝鮮がミサイルを発射した。
すると、米国のティラーソン国務長官が「戦略的忍耐の政策はもう終わった」
「あらゆる選択肢がテーブルの上に乗っている」と素早く反応し、
先制攻撃の可能性にまで言及した。
「アメリカと日本の同盟関係は、アジア太平洋地域の礎だ。
北朝鮮の核・弾道ミサイル問題に対応するため、
日本とアメリカとの2国間、日米韓の3カ国間の協力を強化していく」とのべ、
日本や韓国を米本土防衛の防波堤として動員する意図も示した。
さらに米中首脳会談では会談の最中にシリア爆撃を強行し、
中国が北朝鮮問題で有効な手を打たないなら単独行動をする用意がある
と表明し恫喝を加えた。
ミサイルの性能でいえば、北朝鮮が今回発射して失敗したとされる飛距離は
60㌔だった。シリア爆撃で米軍が五九発打ち込んだトマホークの飛距離
(1250㌔~2500㌔)と比べても技術差は歴然としている。
このミサイル発射に対応して、米太平洋軍のハリス司令官はすぐさま、
シンガポールからオーストラリアに向かっていた原子力空母カール・ビンソン
を中心とする第一空母打撃群に急きょ朝鮮沖への派遣を命じ、
攻撃態勢強化に踏みきった。
同空母打撃群は1月にサンディエゴを出港し、東シナ海で
海上自衛隊と共同訓練をおこない米韓合同野外機動訓練に参加した部隊で、
北朝鮮をはるかにしのぐ攻撃能力を保持する。
この部隊に「朝鮮半島周辺で活動し、核開発・ミサイル開発を続ける
北朝鮮の挑発に備える」という任務を課し、
常時、先制攻撃できる態勢をとっている。
こうした事実は「ミサイルの脅威」「核開発の脅威」を煽り、
北朝鮮に対する軍事包囲網を強めているのは、
北朝鮮というより、米国の側であることを暴露している。
☆イラクの次は北朝鮮 解決遠ざける軍事挑発
現在、米国の保有する核弾頭は約6970発で、
北朝鮮の保有する核は約8発といわれる。
現実の力関係は朝鮮が核ミサイルを一発発射すれば、
数千発のミサイル攻撃を浴び、瞬時に北朝鮮全土が壊滅する力関係にある。
したがって日本に北朝鮮が核ミサイルを撃つときは、
自国が廃虚にされることを覚悟したときしかあり得ない。
北朝鮮の核開発やミサイル発射が持つ意味は「核攻撃すればやり返すから撃つな」
という抑止効果以外に軍事的な意味合いはなく、
なにより米軍との戦力差は誰の目から見ても歴然としているのである。
北朝鮮がすすんで日本へ攻め込むために核兵器を撃ちこむ理由はないし、
蜂の巣になることがわかって軍事力を行使することほどあり得ない話はない。
その行動は日米政府から軍事包囲や経済制裁で一方的に追い込まれたなかでの
抵抗にほかならない。
この戦争挑発をやめさせなければ解決できない、
というのが客観的に見た現実である。
事態の推移から見ると、拉致事件を起こし、ミサイルを発射し、
核開発をしたから制裁・軍事攻撃に踏みきるという順序ではなかった。
アメリカが引き起こした朝鮮戦争が1953年の停戦協定以後、
いまだに交戦状態が続いており、
1991年までは1000発を超す戦術核を韓国に実戦配備して恫喝していた。
その後、2000年代に入ってもアメリカは北朝鮮について
イラクやイランと同様、「悪の枢軸」と呼び「核の先制攻撃をする」と公言してきた。
イラク侵攻でフセイン政府を崩壊させると「イラクの次は北朝鮮」と
アメリカが公言するなかで、北朝鮮が核開発を本格化させた経緯もある。
さらにこの核開発問題をめぐってアメリカは、北朝鮮やイランの核武装は許さないが、
パレスチナを攻撃するイスラエルの核武装や、
中国に圧力を加えるインドの核武装は容認する二重基準を貫いてきた。
万事アメリカのいいなりになるかどうかが基準であり、
そのような基準ではすべての核兵器を廃絶することなどできない。
北朝鮮に核武装をやめさせるなら、世界最大の核保有国であるアメリカこそ
日本や韓国に配備する核を真っ先に廃絶させなければ、
脅威を脅威で打ち返す構造が解消しないことは歴然としている。
☆前線基地となる日本 国土再び廃虚にする道
北朝鮮が反発しているのはアメリカで、その米軍基地があるために
日本列島が最前線の戦場にさらされるというバカげた事態が進行している。
安倍政府がアメリカの意を酌み、日本全土の核攻撃基地化を強化している
ことが最大の悲劇をたぐり寄せている。
北朝鮮に対しては、今月13日に期限を迎える輸出入の全面禁止などを含む
独自の経済制裁を2年間延長することを決定した。
また、韓国で国を二分して反対運動が起き、中国でも抗議行動が起きている
米軍の最新鋭迎撃システム「高高度迎撃ミサイル(THAAD=サード)」を
日本に配備する準備に着手した。
さらに「北朝鮮の脅威に対処する」と称し、「攻撃される前に敵を叩く」
という敵基地攻撃能力保有の検討を自民党安全保障調査会が主導して開始した。
アジア諸国が出ていけといっているアメリカのためのミサイルの配備を
みずから買って出て、敵基地攻撃能力も保有し、
アメリカの代わりに日本から先制攻撃をやるというのである。
同時にそれは在日米軍とともに攻撃目標となる軍事施設はすべて日本で引き受け、
米本土防衛の盾になるという道である。
アメリカは近年、中東でも中南米でもアフリカでも反米斗争が高揚するなか、
軍事費がかさんで米兵の犠牲者が増え窮地に立っている。
このなかで野蛮な戦争によって活路を見いだそうとしており、
みずからの派遣部隊は最小限に抑え、
在日米軍基地をミサイル攻撃の標的として前面に立たせようとしている。
こうした日本や韓国を前面に立ててアジア人同士をたたかわせるアメリカの戦略
にそって戦争を引き起こすことを座視することはできない。
北朝鮮の事情がどうであれ、国際的な紛争は武力によって解決するのではなく、
平等互恵の立場で話しあって解決するのが、
第二次世界大戦の痛ましい経験に基づく教訓である。
そしてはっきりしていることは、唯一原爆を人間の頭上に投げつけた
最大の核大国はアメリカであり、
その核兵器をなくすようにしなければ
世界中の核兵器もミサイルもなくならないことである。
「横暴なシナを懲らしめる」といって中国前面侵略させたのと瓜二つの扇動に
乗せられるわけにはいかず、
日米政府が企む危険な戦争策動を押しとどめる全国的な行動が急務になっている。
Renoir、二枚目、
![]()
「Bathers-in-the-forest-1897」です。
岸信介の大罪、
◆https://jp.sputniknews.com/opinion/201703043399355/
Sputnik 日本 2017年03月04日
◎元KGB長官の回顧録:日本との領土交渉の新事実が明らかに!
アンドレイ イルヤシェンコ
2017年初め、KGB初代長官イワン・セロフの回顧録がモスクワで出版された。
彼は1954年から1958年までKGB長官を務めた人物だ。
今回初めて詳細が広く一般に明らかになったソ連史の数ある出来事の中には、
「北方領土」をめぐる1950年代末のソ日交渉のエピソードも含まれている。
日本との関係再建に関する事前交渉は1955年6月3日、ロンドンで
在英ソ連大使ヤコフ・マリクが参加して始まった。
最初に双方は覚書を交わし、日本側はソ連に南樺太とクリル諸島の返還を要求、
ソ連は日本に米国との「安全保障条約」の放棄と
米艦船に対する日本の海峡封鎖を要求した。
双方にとって、こうした条件はそもそも受け入れられるものではなく、
状況は行き詰まっていた。
しかし、8月9日、マリクは在ロンドン日本大使館の庭園で行われた
日本代表団団長、松本俊一との個人的な会話の中で、突如、
ソ連は日本に歯舞諸島と色丹島を引き渡す用意があり、
日本に対する日米同盟放棄の要求を引き下げると告げた。
松本の回想録によると、松本にとってこの知らせは衝撃だった。
どうやらソ連大使は、1956年6月に強硬派のモロトフ外務大臣に代わって
ドミトリー・シェピロフが外務大臣になった後の
原則的妥協を早まって口にしたらしい。
シェピロフにはいったいどんな動機があったのだろうか?
モスクワは新たなアプローチの代償として何を得ようとしていたのだろうか?
セロフによると、米軍基地について日本と取引をする算段だったようだ。
しかし、セロフの回顧録に詳細は記されていない。
ふたつ目の出来事は1956年10月、モスクワで行われた鳩山一郎首相と
ソ連のニコライ・ブルガニン首相の交渉で起こった。
10月15日、双方は「二国間関係の早急な正常化のため、共同宣言に署名し」、
領土問題を含む平和条約締結に関する交渉を関係正常化後に継続することで
公式合意した。
署名の準備は全て整っていた。
しかし、同じく交渉に参加していていた農林水産大臣の河野一郎が、
事実上のソ連トップであったニキータ・フルシチョフとの面談を要望した。
フルシチョフは、公式合意が得られた後としては驚くべきことに、これに同意し、
10月16日、17日、18日の3回、河野との会談を行った。
この後、日本への歯舞・色丹の引渡しに関する項目が、
1956年10月25日に署名された共同宣言の本文に追加された。
一方で、これを最後の譲歩とし、実際の引渡しは
米国が琉球諸島などの日本領を返還した後に実施するとした
フルシチョフの要求は本文には入らなかった。
代わりに、ソ連は、日本の国連加盟を支持すること、ソ連領内に残っている
第二次世界大戦時の日本人抑留者を全員本国に送還すること、
日本の漁師にとって好都合な体制を導入することなどを義務づけられた。
共同宣言の本文がこのように大きく変質した理由については、
歴史家の間でも一義的な解釈が得られていない。
しかし、セロフの記述によると、島と米軍基地の交換に関するソ日間の議論は、
外務省経由だけではなく、ソ連諜報機関の入っていたKGBを通じても継続された。
フルシチョフがモスクワで日本大使と会談したことが伝えられたのは、
今回が初めてだ。
この問題の議論を任された戦後初の在日ソ連大使イワン・テヴォシャンは、
ソ連首相の職を退いて東京に赴任した。
これは当時としては前例のない出来事で、
ソ連政府がいかに真剣であったかを示している。
その後、日本の現首相の祖父である岸信介首相が
フルシチョフの算段をすべて葬り去った1960年1月19日がやってきた。
この日、世論の強い抗議にもかかわらず、
日本は米国と新たな「安全保障条約」を締結し、これにより、
米国による日本全国での軍事基地の使用を許可したのである。
1960年1月27日、ソ連政府は「当該の島を日本に引き渡すことで、
外国軍が使用できる領土の拡大を促すことはできない」という理由で、
日本への島の引渡し問題の検討を放棄すると発表した。
ソ連にとってクリル諸島への米軍基地の展開は、
たとえ仮定の話であっても、受け入れられるものではなかった。
フルシチョフはどうやら、日本に米国との同盟を放棄させ、
この国を中立国に変貌させることは不可能だと悟っていたようだ。
しかし、島を日本に引き渡した場合に、これが米国によって軍事基地化されることは、
フルシチョフの計画には入っていなかった。
Renoir、三枚目、
![]()
「Mixed-Spring-Flowers」です。
下痢壺の最後の黄昏だな、
◆http://www.twitlonger.com/show/n_1spq90d
市村 悦延 · @hellotomhanks 20th Apr 201
◎第一次安倍政権「政権投げ出し劇」の主役たちが揃った赤坂の夜ー
(田中良紹よしつぐ氏)
18日の夜、興味深い会合が赤坂であった。
小泉元総理が呼びかけたというが、
小池百合子東京都知事を囲んで
小泉元総理時代に自民党幹事長を務めた山崎拓氏と
武部勉氏、それに現在の二階俊博幹事長を加えた会合が開かれたのである。
会合が開かれたのは狭いながらうまい料理を出すので有名な
小泉元総理行きつけの料理屋で、
総理時代には盟友の山崎拓氏と政局の節目節目で
酒を酌み交わした店である。その場所に小泉元総理が小池都知事を招いた。
おそらく二階幹事長と同席させることが目的である。
それが露骨に見えぬよう
小泉元総理は自分を支えた二人の幹事長経験者も招いた。
もとより小池氏は小泉元総理の最側近であったし、
また二階幹事長とも共に政治経歴を重ねてきた政治家同士である。
その3人が会合を持つことは不思議でないが、
しかし小池氏が都知事に就任して以来、
小泉氏が小池氏を支えるような言動をすることは全くなかった。
それがこの時期に会合を持ったことにフーテン(田中良紹)は
大いに興味をそそられる。
第一次安倍政権で安倍総理が政権を投げ出すことになった時、
フーテンが最も注目していたのが
当時の二階国対委員長と小池防衛大臣の二人だったからである。
2007年9月、安倍総理は臨時国会の冒頭で突然辞任を表明した。
腸に持病を抱えていたためだと発表されたが、
フーテンは全く異なる理由で安倍総理は辞任したとみていた。
まず全く大臣経験がなく政治経験も未熟な安倍晋三氏を総理に引き上げたのは
小泉元総理である。
小泉氏も総理になるための条件と言われる外務、大蔵、通産の
閣僚経験がなく、ただ「自民党をぶっ壊す」と叫び、
熱狂的な国民的支持を得て5年余の政権を維持した。
小泉氏は拉致問題で国民に人気のある安倍氏を総理にすることで
永田町の慣行を打ち破ろうと考えたのかもしれないが、
しかし安倍氏は小泉氏の政治的後継者ではなかった。
むしろ激しく小泉批判を行う麻生太郎氏と考えが近く、
総理に就任するや
小泉氏が自民党から追い出した郵政民営化反対派議員を自民党に復党させた。
これで小泉氏と安倍氏の関係は決定的になる。
小泉シンパである中川秀直幹事長と安倍総理の間には絶えず隙間風が吹き続けた。
「お友達内閣」と揶揄された第一安倍政権には閣僚のスキャンダルが絶えず、
2007年の参議院選挙で自民党は大敗する。
衆参ねじれが生まれ、安倍政権は予算以外の法案を成立させることが出来なくなった。
参議院選挙に敗れた総理が続投した例はない。
宇野総理も橋本総理も開票日に退陣を表明した。
ところが安倍総理は続投を表明する。
その年の11月にはインド洋で給油活動を行う海上自衛隊の派遣期限が切れる。
法案の延長を行わなければ国際公約は守れない。
法案を延長するには8月末までに国会を開いて衆議院を通過させる必要があった。
そこに立ちふさがったのが二階国対委員長である。
閣僚の人事を巡り「身体検査」に時間をかける必要があると言って
8月中の国会開会を認めなかった。
一方、小池防衛大臣は8月に突然米国訪問を行う。
しかも会う相手は国防長官だけではなく国務長官と副大統領という
ブッシュ政権のトップクラスである。
フーテンには先行きのない安倍総理に代わる次の総理候補として
お披露目を行っているように見えた。
そして訪米の背後には小泉氏の影響力があると思った。
その8月に安倍総理はインド訪問を予定していた。
すると米国から帰国した小池防衛大臣も
インド訪問を同じ時期に行うと発表する。
総理大臣と防衛大臣が同じ時期に同じ国を
しかも別々に訪れるなど聞いたことがない。
インド訪問中から安倍総理の体調がおかしくなったと聞かされた。
臨時国会は9月に召集されたが、
もはや海上自衛隊はインド洋の活動を継続できない。
安倍総理は国際公約違反の帰還命令を下さなければならなくなった。
追い込まれた安倍総理はぶざまな退陣劇を演ずることになる。
2012年に返り咲いた安倍総理は徹底的に小池氏を干し上げた。
それはあの8月の記憶があるからだとフーテンは見ていた。
小池氏は冷遇に耐え去年の都知事選挙で勝負に出る。
小泉氏の「自民党をぶっ壊す」を思い起こさせる選挙運動で
都民から熱狂的に支持され都知事に就任した。
総理と都知事はオリンピックがあるから対立する訳にはいかないが、
しかし7月の都議会議員選挙では
安倍総理と小池都知事が真っ向から激突する。
その先に小池知事は国政を見据えている。
そんな時期に小泉氏が小池氏と二階氏を呼んで会合を行った。
政局の機微に触れる話だった可能性がある。
一方の二階氏は、あの8月に国会を開かせなかったが
今や自民党の事実上のトップに上り詰めた。
安倍総理は小池氏と違い二階氏の政治力を必要とするが
恐ろしいとも思っている。
それが分かるから二階氏は安倍総理を支えると公言して警戒感を弱め、
自力をつけることに専念している。
しかし森友問題が起きてからの発言には「おや」と思わせるものもある。
籠池前理事長の証人喚問が決まった時に
「総理とどこの誰かもわからない人間のどちらを信用するかと言われれば
総理を信用するしかない」と言ったが、
フーテンには総理がどこの誰かもわからない人間と張り合う馬鹿馬鹿しさを
言っているように聞こえた。
また今月開かれた麻生派のパーティでは「まだ道半ばでしょ」と
第二次麻生政権誕生を期待するかのような口ぶりで、
「こないだは短かった」と次は長期政権が期待されているかのような
リップサービスをした。
麻生副総理は米国のペンス副大統領との経済対話が始まったこともあり、
トランプ大統領に万が一のことがあればペンス副大統領が大統領に昇格することから、
それによって自分にも二度目のチャンスが訪れると思っているはずだ。
そのあたりを二階氏はくすぐっている。
キングメーカーになる気を見せ始めたのである。
そうした中で安倍総理は、内政で危機に陥っているトランプ政権が
国民の目をシリアと北朝鮮に向けさせて危機を乗り切ろうとする、
その危機管理術のお相伴にあずかろうと必死である。
これ幸いとばかり国民に危機感を煽っているが、
柳の下にどじょうが何匹もいるとは限らない。
南スーダンに派遣された陸上自衛隊の日報問題も
森友学園と総理夫人を巡る問題も、
この国の統治機構が持つ情報の隠蔽体質と歪みが端的に現れた出来事である。
命がけで活動を行っている自衛隊員の報告が消され、
一方で総理夫人の周辺が特別の利益にあずかれる構造は異常というしかない。
にもかかわらず桜の花見に浮かれている様を見ると、
「世が世ならクーデターが起きているだろうな」と不穏な思いにとらわれる。
そんな中で18日夜の小泉元総理が催した会合は
第一次安倍政権時の「政権投げ出し劇場」に登場する面々によるものだけに、
フーテンはいやがおうにも興味をそそられてしまうのである。
↑
「6月解散)あるかも?
Pierre-Augustê Renoir
1841-1919 / フランス / 印象派 作
「Woman-with-a-parasol-in-a-garden-1875」
☆晴れ。
戦争の狂犬=ユダ米、
◆http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/ajiawohinoumininagekomuna.html
長周新聞 2017年4月10日付
アジアを火の海に投げこむな
朝鮮半島めぐる緊迫した情勢
報復攻撃の的にされる日本列島
北朝鮮のミサイル発射や核開発を口実にして、
米政府が軍事挑発をエスカレートさせている。
米トランプ政府は北朝鮮への先制攻撃も辞さないこと、
単独行動をする用意があることを表明し、朝鮮半島へ原子力空母を急派した。
これと連動して安倍政府は朝鮮への経済制裁延長を決めたうえに
「敵基地攻撃能力の保有」を急ぎ、全面戦争をも辞さない構えを見せている。
一方、北朝鮮は「ミサイルの標的は在日米軍基地」と表明し、
その飛距離からして岩国基地が攻撃対象になると見られており、
基地の街では緊張感が高まっている。
朝鮮半島周辺ではこの間、過去最大の30万人が参加して米韓軍事演習をくり広げ、
これに反発する形で北朝鮮がミサイル発射をくり返してきた。
アジアを火の海に投げ込みかねない軍事衝突の危機が深まっており、
米軍の行動如何によってはミサイル攻撃の標的にされかねない日本社会
にとっても無関係でおれない事態を迎えている。
☆米韓軍事演習で挑発した結果
北朝鮮が核開発やミサイル発射実験をするのは朝鮮戦争以来、
アメリカが日韓に大量の核兵器を配備し、朝鮮侵略計画に基づく
大規模演習を毎年続け、核攻撃態勢を強めていることが根源である。
近年の米軍再編をみても、朝鮮や中国をにらんだ
高性能のミサイル発射機能を持つイージス艦を配備し、
横須賀に原子力空母を配備し、
青森にミサイル攻撃機能を高める米軍のXバンドレーダーを配備する
など攻撃態勢の意図は露骨である。
とりわけ、米海兵隊基地のなかでもっとも朝鮮半島に近い岩国基地は
格段の増強を図っている。
厚木基地所属の核搭載可能な空母艦載機59機と兵員を
今年7月から移す準備を進め、最新鋭ステルス戦闘機F35や
垂直離着陸可能な戦闘ヘリ・オスプレイを配備し、
3月末には近くの広島・呉基地に海上自衛隊最大のヘリ空母「かが」
(基準排水量1万9500㌧)を配備した。
ヘリ空母は滑走路が必要な戦闘機が離着陸する装置はないが、
広い甲板を持ち戦闘ヘリやF35Bなど垂直離着陸機は自在に運用できる。
「かが」就役で自衛隊保有のヘリ空母は「ひゅうが」「いせ」「いずも」
とあわせ4隻体制になった。
朝鮮有事となれば、岩国基地のF35を「かが」に積んで出撃したり、
自衛隊の艦船が米軍機を運ぶ体制にほかならない。
岩国配備の空母艦載機は真っ先に最前線の攻撃に加わる体制をとることになる。
こうした動きに加え3月から4月末まで米韓軍が大規模軍事演習
「フォールイーグル」を実施している。
米原子力空母カール・ビンソンを中心とする米空母打撃群、
佐世保基地配備の強襲揚陸艦ボノム・リシャール、
韓国海軍のイージス駆逐艦、原子力潜水艦など60隻余りを
朝鮮半島近辺に集結させ、事実上の軍事包囲体制をとった。
岩国基地所属のF35やグアム配備の戦略爆撃機のB2やB52、
米国本土のステルス爆撃機B2、在韓米軍基地のステルス戦闘機F22など
あらゆる最新戦闘機も動員した。
各国の首脳暗殺や政権転覆作戦を実行するシールズ(米海軍特殊精鋭部隊)や
グリーン・ベレー、デルタフォースなど
もっとも野蛮な特殊暗殺部隊を本格参加させ、総勢32万人もの米韓軍が
朝鮮半島近辺で実戦さながらの爆撃・侵攻訓練を繰り広げた。
演習は「北朝鮮の核・ミサイル発射の兆候があれば30分以内に先制打撃する」
もので、アメリカの指揮棒で
わずか30分以内で日韓の米軍基地から軍事攻撃を開始する危険な内容である。
同演習の方向性を示す「テーラーメード型抑止戦略」や4D作戦は
きわめて具体的で、先制攻撃を仕掛けて北朝鮮のミサイル基地を破壊した後、
首脳陣の斬首・除去を実行し、平壌を占領することを想定していた。
朝鮮半島はいまだに休戦状態が継続し、戦争が終結していない。
その近辺でわざわざ大規模軍事演習をやるのは軍事挑発にほかならない。
軍事緊張を極限まで高めて相手に手を出させ、野蛮な殺戮に踏みきって
支配下に置くのが、アメリカが戦争を引き起こすとき使う常套手段である。
☆米国は単独行動表明 防衛ではなく先制攻撃
今回もさんざん軍事挑発した結果、案の定、北朝鮮がミサイルを発射した。
すると、米国のティラーソン国務長官が「戦略的忍耐の政策はもう終わった」
「あらゆる選択肢がテーブルの上に乗っている」と素早く反応し、
先制攻撃の可能性にまで言及した。
「アメリカと日本の同盟関係は、アジア太平洋地域の礎だ。
北朝鮮の核・弾道ミサイル問題に対応するため、
日本とアメリカとの2国間、日米韓の3カ国間の協力を強化していく」とのべ、
日本や韓国を米本土防衛の防波堤として動員する意図も示した。
さらに米中首脳会談では会談の最中にシリア爆撃を強行し、
中国が北朝鮮問題で有効な手を打たないなら単独行動をする用意がある
と表明し恫喝を加えた。
ミサイルの性能でいえば、北朝鮮が今回発射して失敗したとされる飛距離は
60㌔だった。シリア爆撃で米軍が五九発打ち込んだトマホークの飛距離
(1250㌔~2500㌔)と比べても技術差は歴然としている。
このミサイル発射に対応して、米太平洋軍のハリス司令官はすぐさま、
シンガポールからオーストラリアに向かっていた原子力空母カール・ビンソン
を中心とする第一空母打撃群に急きょ朝鮮沖への派遣を命じ、
攻撃態勢強化に踏みきった。
同空母打撃群は1月にサンディエゴを出港し、東シナ海で
海上自衛隊と共同訓練をおこない米韓合同野外機動訓練に参加した部隊で、
北朝鮮をはるかにしのぐ攻撃能力を保持する。
この部隊に「朝鮮半島周辺で活動し、核開発・ミサイル開発を続ける
北朝鮮の挑発に備える」という任務を課し、
常時、先制攻撃できる態勢をとっている。
こうした事実は「ミサイルの脅威」「核開発の脅威」を煽り、
北朝鮮に対する軍事包囲網を強めているのは、
北朝鮮というより、米国の側であることを暴露している。
☆イラクの次は北朝鮮 解決遠ざける軍事挑発
現在、米国の保有する核弾頭は約6970発で、
北朝鮮の保有する核は約8発といわれる。
現実の力関係は朝鮮が核ミサイルを一発発射すれば、
数千発のミサイル攻撃を浴び、瞬時に北朝鮮全土が壊滅する力関係にある。
したがって日本に北朝鮮が核ミサイルを撃つときは、
自国が廃虚にされることを覚悟したときしかあり得ない。
北朝鮮の核開発やミサイル発射が持つ意味は「核攻撃すればやり返すから撃つな」
という抑止効果以外に軍事的な意味合いはなく、
なにより米軍との戦力差は誰の目から見ても歴然としているのである。
北朝鮮がすすんで日本へ攻め込むために核兵器を撃ちこむ理由はないし、
蜂の巣になることがわかって軍事力を行使することほどあり得ない話はない。
その行動は日米政府から軍事包囲や経済制裁で一方的に追い込まれたなかでの
抵抗にほかならない。
この戦争挑発をやめさせなければ解決できない、
というのが客観的に見た現実である。
事態の推移から見ると、拉致事件を起こし、ミサイルを発射し、
核開発をしたから制裁・軍事攻撃に踏みきるという順序ではなかった。
アメリカが引き起こした朝鮮戦争が1953年の停戦協定以後、
いまだに交戦状態が続いており、
1991年までは1000発を超す戦術核を韓国に実戦配備して恫喝していた。
その後、2000年代に入ってもアメリカは北朝鮮について
イラクやイランと同様、「悪の枢軸」と呼び「核の先制攻撃をする」と公言してきた。
イラク侵攻でフセイン政府を崩壊させると「イラクの次は北朝鮮」と
アメリカが公言するなかで、北朝鮮が核開発を本格化させた経緯もある。
さらにこの核開発問題をめぐってアメリカは、北朝鮮やイランの核武装は許さないが、
パレスチナを攻撃するイスラエルの核武装や、
中国に圧力を加えるインドの核武装は容認する二重基準を貫いてきた。
万事アメリカのいいなりになるかどうかが基準であり、
そのような基準ではすべての核兵器を廃絶することなどできない。
北朝鮮に核武装をやめさせるなら、世界最大の核保有国であるアメリカこそ
日本や韓国に配備する核を真っ先に廃絶させなければ、
脅威を脅威で打ち返す構造が解消しないことは歴然としている。
☆前線基地となる日本 国土再び廃虚にする道
北朝鮮が反発しているのはアメリカで、その米軍基地があるために
日本列島が最前線の戦場にさらされるというバカげた事態が進行している。
安倍政府がアメリカの意を酌み、日本全土の核攻撃基地化を強化している
ことが最大の悲劇をたぐり寄せている。
北朝鮮に対しては、今月13日に期限を迎える輸出入の全面禁止などを含む
独自の経済制裁を2年間延長することを決定した。
また、韓国で国を二分して反対運動が起き、中国でも抗議行動が起きている
米軍の最新鋭迎撃システム「高高度迎撃ミサイル(THAAD=サード)」を
日本に配備する準備に着手した。
さらに「北朝鮮の脅威に対処する」と称し、「攻撃される前に敵を叩く」
という敵基地攻撃能力保有の検討を自民党安全保障調査会が主導して開始した。
アジア諸国が出ていけといっているアメリカのためのミサイルの配備を
みずから買って出て、敵基地攻撃能力も保有し、
アメリカの代わりに日本から先制攻撃をやるというのである。
同時にそれは在日米軍とともに攻撃目標となる軍事施設はすべて日本で引き受け、
米本土防衛の盾になるという道である。
アメリカは近年、中東でも中南米でもアフリカでも反米斗争が高揚するなか、
軍事費がかさんで米兵の犠牲者が増え窮地に立っている。
このなかで野蛮な戦争によって活路を見いだそうとしており、
みずからの派遣部隊は最小限に抑え、
在日米軍基地をミサイル攻撃の標的として前面に立たせようとしている。
こうした日本や韓国を前面に立ててアジア人同士をたたかわせるアメリカの戦略
にそって戦争を引き起こすことを座視することはできない。
北朝鮮の事情がどうであれ、国際的な紛争は武力によって解決するのではなく、
平等互恵の立場で話しあって解決するのが、
第二次世界大戦の痛ましい経験に基づく教訓である。
そしてはっきりしていることは、唯一原爆を人間の頭上に投げつけた
最大の核大国はアメリカであり、
その核兵器をなくすようにしなければ
世界中の核兵器もミサイルもなくならないことである。
「横暴なシナを懲らしめる」といって中国前面侵略させたのと瓜二つの扇動に
乗せられるわけにはいかず、
日米政府が企む危険な戦争策動を押しとどめる全国的な行動が急務になっている。
Renoir、二枚目、
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「Bathers-in-the-forest-1897」です。
岸信介の大罪、
◆https://jp.sputniknews.com/opinion/201703043399355/
Sputnik 日本 2017年03月04日
◎元KGB長官の回顧録:日本との領土交渉の新事実が明らかに!
アンドレイ イルヤシェンコ
2017年初め、KGB初代長官イワン・セロフの回顧録がモスクワで出版された。
彼は1954年から1958年までKGB長官を務めた人物だ。
今回初めて詳細が広く一般に明らかになったソ連史の数ある出来事の中には、
「北方領土」をめぐる1950年代末のソ日交渉のエピソードも含まれている。
日本との関係再建に関する事前交渉は1955年6月3日、ロンドンで
在英ソ連大使ヤコフ・マリクが参加して始まった。
最初に双方は覚書を交わし、日本側はソ連に南樺太とクリル諸島の返還を要求、
ソ連は日本に米国との「安全保障条約」の放棄と
米艦船に対する日本の海峡封鎖を要求した。
双方にとって、こうした条件はそもそも受け入れられるものではなく、
状況は行き詰まっていた。
しかし、8月9日、マリクは在ロンドン日本大使館の庭園で行われた
日本代表団団長、松本俊一との個人的な会話の中で、突如、
ソ連は日本に歯舞諸島と色丹島を引き渡す用意があり、
日本に対する日米同盟放棄の要求を引き下げると告げた。
松本の回想録によると、松本にとってこの知らせは衝撃だった。
どうやらソ連大使は、1956年6月に強硬派のモロトフ外務大臣に代わって
ドミトリー・シェピロフが外務大臣になった後の
原則的妥協を早まって口にしたらしい。
シェピロフにはいったいどんな動機があったのだろうか?
モスクワは新たなアプローチの代償として何を得ようとしていたのだろうか?
セロフによると、米軍基地について日本と取引をする算段だったようだ。
しかし、セロフの回顧録に詳細は記されていない。
ふたつ目の出来事は1956年10月、モスクワで行われた鳩山一郎首相と
ソ連のニコライ・ブルガニン首相の交渉で起こった。
10月15日、双方は「二国間関係の早急な正常化のため、共同宣言に署名し」、
領土問題を含む平和条約締結に関する交渉を関係正常化後に継続することで
公式合意した。
署名の準備は全て整っていた。
しかし、同じく交渉に参加していていた農林水産大臣の河野一郎が、
事実上のソ連トップであったニキータ・フルシチョフとの面談を要望した。
フルシチョフは、公式合意が得られた後としては驚くべきことに、これに同意し、
10月16日、17日、18日の3回、河野との会談を行った。
この後、日本への歯舞・色丹の引渡しに関する項目が、
1956年10月25日に署名された共同宣言の本文に追加された。
一方で、これを最後の譲歩とし、実際の引渡しは
米国が琉球諸島などの日本領を返還した後に実施するとした
フルシチョフの要求は本文には入らなかった。
代わりに、ソ連は、日本の国連加盟を支持すること、ソ連領内に残っている
第二次世界大戦時の日本人抑留者を全員本国に送還すること、
日本の漁師にとって好都合な体制を導入することなどを義務づけられた。
共同宣言の本文がこのように大きく変質した理由については、
歴史家の間でも一義的な解釈が得られていない。
しかし、セロフの記述によると、島と米軍基地の交換に関するソ日間の議論は、
外務省経由だけではなく、ソ連諜報機関の入っていたKGBを通じても継続された。
フルシチョフがモスクワで日本大使と会談したことが伝えられたのは、
今回が初めてだ。
この問題の議論を任された戦後初の在日ソ連大使イワン・テヴォシャンは、
ソ連首相の職を退いて東京に赴任した。
これは当時としては前例のない出来事で、
ソ連政府がいかに真剣であったかを示している。
その後、日本の現首相の祖父である岸信介首相が
フルシチョフの算段をすべて葬り去った1960年1月19日がやってきた。
この日、世論の強い抗議にもかかわらず、
日本は米国と新たな「安全保障条約」を締結し、これにより、
米国による日本全国での軍事基地の使用を許可したのである。
1960年1月27日、ソ連政府は「当該の島を日本に引き渡すことで、
外国軍が使用できる領土の拡大を促すことはできない」という理由で、
日本への島の引渡し問題の検討を放棄すると発表した。
ソ連にとってクリル諸島への米軍基地の展開は、
たとえ仮定の話であっても、受け入れられるものではなかった。
フルシチョフはどうやら、日本に米国との同盟を放棄させ、
この国を中立国に変貌させることは不可能だと悟っていたようだ。
しかし、島を日本に引き渡した場合に、これが米国によって軍事基地化されることは、
フルシチョフの計画には入っていなかった。
Renoir、三枚目、
![](http://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0c/ec/8c54e20b30a6ee3e4b69f63a7bdda5e9_s.jpg)
「Mixed-Spring-Flowers」です。
下痢壺の最後の黄昏だな、
◆http://www.twitlonger.com/show/n_1spq90d
市村 悦延 · @hellotomhanks 20th Apr 201
◎第一次安倍政権「政権投げ出し劇」の主役たちが揃った赤坂の夜ー
(田中良紹よしつぐ氏)
18日の夜、興味深い会合が赤坂であった。
小泉元総理が呼びかけたというが、
小池百合子東京都知事を囲んで
小泉元総理時代に自民党幹事長を務めた山崎拓氏と
武部勉氏、それに現在の二階俊博幹事長を加えた会合が開かれたのである。
会合が開かれたのは狭いながらうまい料理を出すので有名な
小泉元総理行きつけの料理屋で、
総理時代には盟友の山崎拓氏と政局の節目節目で
酒を酌み交わした店である。その場所に小泉元総理が小池都知事を招いた。
おそらく二階幹事長と同席させることが目的である。
それが露骨に見えぬよう
小泉元総理は自分を支えた二人の幹事長経験者も招いた。
もとより小池氏は小泉元総理の最側近であったし、
また二階幹事長とも共に政治経歴を重ねてきた政治家同士である。
その3人が会合を持つことは不思議でないが、
しかし小池氏が都知事に就任して以来、
小泉氏が小池氏を支えるような言動をすることは全くなかった。
それがこの時期に会合を持ったことにフーテン(田中良紹)は
大いに興味をそそられる。
第一次安倍政権で安倍総理が政権を投げ出すことになった時、
フーテンが最も注目していたのが
当時の二階国対委員長と小池防衛大臣の二人だったからである。
2007年9月、安倍総理は臨時国会の冒頭で突然辞任を表明した。
腸に持病を抱えていたためだと発表されたが、
フーテンは全く異なる理由で安倍総理は辞任したとみていた。
まず全く大臣経験がなく政治経験も未熟な安倍晋三氏を総理に引き上げたのは
小泉元総理である。
小泉氏も総理になるための条件と言われる外務、大蔵、通産の
閣僚経験がなく、ただ「自民党をぶっ壊す」と叫び、
熱狂的な国民的支持を得て5年余の政権を維持した。
小泉氏は拉致問題で国民に人気のある安倍氏を総理にすることで
永田町の慣行を打ち破ろうと考えたのかもしれないが、
しかし安倍氏は小泉氏の政治的後継者ではなかった。
むしろ激しく小泉批判を行う麻生太郎氏と考えが近く、
総理に就任するや
小泉氏が自民党から追い出した郵政民営化反対派議員を自民党に復党させた。
これで小泉氏と安倍氏の関係は決定的になる。
小泉シンパである中川秀直幹事長と安倍総理の間には絶えず隙間風が吹き続けた。
「お友達内閣」と揶揄された第一安倍政権には閣僚のスキャンダルが絶えず、
2007年の参議院選挙で自民党は大敗する。
衆参ねじれが生まれ、安倍政権は予算以外の法案を成立させることが出来なくなった。
参議院選挙に敗れた総理が続投した例はない。
宇野総理も橋本総理も開票日に退陣を表明した。
ところが安倍総理は続投を表明する。
その年の11月にはインド洋で給油活動を行う海上自衛隊の派遣期限が切れる。
法案の延長を行わなければ国際公約は守れない。
法案を延長するには8月末までに国会を開いて衆議院を通過させる必要があった。
そこに立ちふさがったのが二階国対委員長である。
閣僚の人事を巡り「身体検査」に時間をかける必要があると言って
8月中の国会開会を認めなかった。
一方、小池防衛大臣は8月に突然米国訪問を行う。
しかも会う相手は国防長官だけではなく国務長官と副大統領という
ブッシュ政権のトップクラスである。
フーテンには先行きのない安倍総理に代わる次の総理候補として
お披露目を行っているように見えた。
そして訪米の背後には小泉氏の影響力があると思った。
その8月に安倍総理はインド訪問を予定していた。
すると米国から帰国した小池防衛大臣も
インド訪問を同じ時期に行うと発表する。
総理大臣と防衛大臣が同じ時期に同じ国を
しかも別々に訪れるなど聞いたことがない。
インド訪問中から安倍総理の体調がおかしくなったと聞かされた。
臨時国会は9月に召集されたが、
もはや海上自衛隊はインド洋の活動を継続できない。
安倍総理は国際公約違反の帰還命令を下さなければならなくなった。
追い込まれた安倍総理はぶざまな退陣劇を演ずることになる。
2012年に返り咲いた安倍総理は徹底的に小池氏を干し上げた。
それはあの8月の記憶があるからだとフーテンは見ていた。
小池氏は冷遇に耐え去年の都知事選挙で勝負に出る。
小泉氏の「自民党をぶっ壊す」を思い起こさせる選挙運動で
都民から熱狂的に支持され都知事に就任した。
総理と都知事はオリンピックがあるから対立する訳にはいかないが、
しかし7月の都議会議員選挙では
安倍総理と小池都知事が真っ向から激突する。
その先に小池知事は国政を見据えている。
そんな時期に小泉氏が小池氏と二階氏を呼んで会合を行った。
政局の機微に触れる話だった可能性がある。
一方の二階氏は、あの8月に国会を開かせなかったが
今や自民党の事実上のトップに上り詰めた。
安倍総理は小池氏と違い二階氏の政治力を必要とするが
恐ろしいとも思っている。
それが分かるから二階氏は安倍総理を支えると公言して警戒感を弱め、
自力をつけることに専念している。
しかし森友問題が起きてからの発言には「おや」と思わせるものもある。
籠池前理事長の証人喚問が決まった時に
「総理とどこの誰かもわからない人間のどちらを信用するかと言われれば
総理を信用するしかない」と言ったが、
フーテンには総理がどこの誰かもわからない人間と張り合う馬鹿馬鹿しさを
言っているように聞こえた。
また今月開かれた麻生派のパーティでは「まだ道半ばでしょ」と
第二次麻生政権誕生を期待するかのような口ぶりで、
「こないだは短かった」と次は長期政権が期待されているかのような
リップサービスをした。
麻生副総理は米国のペンス副大統領との経済対話が始まったこともあり、
トランプ大統領に万が一のことがあればペンス副大統領が大統領に昇格することから、
それによって自分にも二度目のチャンスが訪れると思っているはずだ。
そのあたりを二階氏はくすぐっている。
キングメーカーになる気を見せ始めたのである。
そうした中で安倍総理は、内政で危機に陥っているトランプ政権が
国民の目をシリアと北朝鮮に向けさせて危機を乗り切ろうとする、
その危機管理術のお相伴にあずかろうと必死である。
これ幸いとばかり国民に危機感を煽っているが、
柳の下にどじょうが何匹もいるとは限らない。
南スーダンに派遣された陸上自衛隊の日報問題も
森友学園と総理夫人を巡る問題も、
この国の統治機構が持つ情報の隠蔽体質と歪みが端的に現れた出来事である。
命がけで活動を行っている自衛隊員の報告が消され、
一方で総理夫人の周辺が特別の利益にあずかれる構造は異常というしかない。
にもかかわらず桜の花見に浮かれている様を見ると、
「世が世ならクーデターが起きているだろうな」と不穏な思いにとらわれる。
そんな中で18日夜の小泉元総理が催した会合は
第一次安倍政権時の「政権投げ出し劇場」に登場する面々によるものだけに、
フーテンはいやがおうにも興味をそそられてしまうのである。
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「6月解散)あるかも?