画は 鈴木 春信(すずき はるのぶ)
享保10年(1725年)? ~ 明和7年(1770年) 作
「素性法師」です。
素性法師 (そせいほうし)
平安時代中期の歌人。三十六歌仙の一人。
僧正遍昭 (へんじょう) の子。
花ざかりに京をみやりてよめる
見わたせば柳桜をこきまぜて
都ぞ春の錦なりける
☆晴れ。
阿呆太郎は元祖・売国奴=吉田茂(ヨハンセングループ首魁)のDNA、
下痢壺はCIA工作員=岸信介のDNA、骨絡みの売国だ、
◆http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/jidaisakugonosuidoujigyoumineika.html
長周新聞 2017年3月31日付
時代錯誤の水道事業民営化
国民の生命に関わる重大問題
世界各国で実証済み 料金値上げや水質悪化招く
人間の生命活動を維持するだけでなく、農漁業や製造業など
全生産活動にも不可欠な「水」。
安全な水がなければ山林や水田も維持できず、社会に甚大な影響を及ぼす。
だが、この「水」の安定供給を危機にさらす「水道法改定」が
森友学園騒動の陰で動いている。
現在日本では、水道事業は市町村が管理し、部分的な業務委託はあっても
経営も含む全面的な民営化の前例はない。
「水道法改定」はそうした縛りをとり払い、営利企業、
とりわけ外資の参入を促すことが狙いである。
水道事業民営化は先行実施された中南米やアフリカ、欧州で
極端な料金値上げ、水質悪化などを引き起こし、
暴動の末に公営へ回帰した例が多数ある。
水道事業の民営化が国民生活になにをもたらすのか、
直視しなければならない事態に直面している。
☆アメリカで勝手に約束した麻生
安倍政府は今月7日、水道法改定案を閣議決定した。
料金の改定を認可制から届け出制に改め自由に料金値上げできることや、
災害時の復旧を自治体との共同責任にし
運営企業の負担を減らす内容を盛り込んだ。
政府は2011年に民間企業への運営権売却を認めたが、
災害発生時の費用負担リスクが大きく、応じた企業はなかった。
今回はその参入障壁をさらに引き下げ、
国内外の企業を水道事業に本格参入させることが眼目だ。
こうすれば企業が、災害リスクを考えずに営利追求に専念できる。
もし大事故や災害が起きても自治体に復旧経費を押しつけ、
参入企業に損をさせない仕組みにほかならない。
また、山間地域を抱える市町村は人口減などで税収が落ち込み、
独立採算によって水道事業が赤字状態の所が多い。
そこにつけ込み「複数の事業を統合すれば効率化できる」といって
水道事業の統合・広域化も促進する。
これも営利企業が参入したとき、より大きな利益を得るための地ならしである。
都道府県を広域連携の推進役と位置付け、給水人口が少ない市町村と
事業統合する中核都市への助成を拡充することも盛り込んだ。
政府はこの水道法改定を今国会で成立させ、2018年度の施行を目指している。
こうした方向性にそって全国の水道局で新しい動きも起きている。
国の方針を先どりした大阪市は、橋下徹前市長が提案していた
水道事業民営化関連議案を二八日、大阪市議会が否決した。
同議案は水道局を市から切り離し、市が100%出資する運営会社をつくり、
その会社に30年間の運営権を与える方式だ。
浄水場や水道管などの資産は市が保有したままだが、
「運営会社の経営が行き詰まったとき代替事業者がすぐ見つかるのか」
「市民に水を安定供給する保証がない」との批判が出て廃案になった。
近年、水道事業をめぐっては民営化に向けた「独立採算」の導入によって、
老朽化した水道管を交換することもできず、
漏水や水道管破裂が絶えないことへの危惧は強い。
水道事業の公営堅持を求める声は大阪市にとどまらず全国で切実さを増している。
他方、愛媛県松山市では2012年度から、世界最大の水メジャーである
仏ヴェオリア・ウォーターが、
浄水場運転業務や施設のメンテナンスに業務委託で参入している。
同市は「外資参入と水道料金値上げはまったく関係ない」と説明するが、
市内で水道料金が大幅な値上げとなった地域も出て物議を醸している。
それは水道事業の民営化や外資参入は決して遠い先の話ではない
ことを示している。
すでに日本市場に入り込んだヴェオリアにとどまらず、
スエズ(仏)、GE(米)、テムズ・ウォーター(英)など
欧米の巨大水メジャーが日本の水市場を虎視眈眈と狙っている。
安倍政府が進める水道事業民営化は、
日本の水市場を国主導で外資大手の餌食にしていく計画にほかならない。
☆中南米の経験 外資企業撤退に追込む
水道事業の民営化は、欧米資本が世界各国の市場をこじ開けるものとして
各国で実施してきた。
インフラの根幹を支配すれば 国を容易に支配できるからだ。
欧米資本が殴り込みをかけた中南米では住民が徹底した反撃をくり広げ、
公営へ回帰する都市が多数出ている。
「水戦争」で知られるボリビア・コチャバンバ市は
世界銀行監視下で1999年9月、市営上下水道を民営化した。
不透明な入札を経て、ボリビア政府は水道事業を米企業ベクテルに売却した。
ベクテルはすぐに水道料金を3倍に引き上げ、
料金を払えない世帯への給水をストップした。
住民が貯水槽に貯めて使っていた雨水の料金まで請求した。
こうした横暴なやり方に批判が高まり、
先住民を中心に「水と命を守る連合」を組織し抗議行動を開始した。
当初は「料金値下げ」を要求する穏便な行動だった。
だが警察と軍が武力弾圧に乗り出すなかで、市民は断固とした行動を継続した。
政府にベクテルとの契約破棄を求める住民投票では賛成が過半数を得て圧勝した。
この結果も政府が無視し続けたため、何千人もの住民が路上にくり出す
抗議行動に発展した。
軍の弾圧で数百人が負傷し17歳の少年が殺されたが、
住民は1週間をこすゼネストで市業務をマヒさせた。
こうした行動によってボリビア政府は2000年4月に敗北を認め、
ベクテルに撤退を申し入れた。
ベクテルは7カ月でたたき出され、コチャバンバ市の水道事業は公営に戻った。
ボリビアの首都ラパスも1997年に同市と近隣のエルアルト地区の
水道サービスをスエズ子会社に任せ、大矛盾となった。
スエズ子会社は貧富に分け隔てなく全住民に給水するという当初の約束を守らず、
貧困層の20万人が水を得られない事態となった。
さらに水道の接続料として450米㌦(貧困世帯の2年分の生活費に匹敵)
という法外な額を請求した。
下水施設の整備も同市の貧民街に溝を掘って汚水を流すもので、
最終的には世界遺産にも指定されたチチカカ湖に垂れ流した。
海外からの援助で建てられた学校や病院も水がないため運営できない。
このなかで住民は大規模なストをくり返し、スエズの撤退を要求した。
10年間のたたかいを経て2007年に大統領を退陣に追い込み、
スエズも撤退させた。
水道事業を公営に戻した新大統領は「水を民間ビジネスに委ねることはできない。
水道は基礎的なサービスとして、国家が担い続けなければならず、
それにより非常に安い料金での提供が可能なのだ」と表明した。
中南米では世界銀行や国際通貨基金(IMF)監視下で
水道事業民営化を押し進め、市場原理政策の先駆けとして水メジャーが乗り込んだ。
だがアルゼンチンではアズリックス(エンロン子会社)が水道事業を握った後、
事実上水道事業を放棄したままエンロンの破たんで撤退し、
その後は中央政府が水メジャーとの契約を拒否。
同国のブエノスアイレスやトゥクマンは一旦民営化したが公営に戻している。
スエズとアグアス・デ・ビルバオ(スペイン)の2社が参入したウルグアイでも、
高い料金で水を得られない住民が続出したうえ、
いい加減な水源管理によって水源のラグーナ・ブランカ湖の水を干上がらせてしまった。
さらに民営化にともなう契約料も支払わない事態となった。
ウルグアイではこうした営利企業を住民運動で撤退させたうえ、
2004年の憲法改正で「水へのアクセスは人権で、
上下水道サービスは中央政府が管轄するべき」という規定を追加している。
その他、汚水垂れ流しで肝炎を大流行させた
ベクテルの子会社を撤退させたエクアドル、
水道民営化を拒絶しているコロンビアのボゴダ、
下院が水道民営化を否決したパラグアイ、
裁判所が下水インフラの民営化に否定的な判決を下したニカラグアなど、
中南米で水道事業民営化はすでに時代遅れになっている。
水メジャーが真っ先に乗り込んだ中南米では、反面の実体験から
ライフラインを営利の具として破壊する欧米の水メジャーを排除し、
水道事業を公営で堅持し国民生活に資する事業として発展させていく
世論と行動が圧倒している。
☆アジアやアフリカ コレラ大流行で死者も
アジアでも似たような状況に直面している。
インドではベクテル、ヴェオリア、テムズ、スエズ、アングリアン(英)など
複数の水メジャーが水道事業に参入し、
巨大な導水路を建設するために数千人規模で住民に住居や農地からの立ち退きを
迫っている。
10億人をこすインドの人人の飲料水や生活用水をまかなうには
大量の水源が必要で、日本とは比較にならないほど
各地の水源は稀少かつ貴重である。
大河川をせき止める大規模ダムの計画も多数動いており、
住居や生産手段を奪われる少数民族や農民は100万人に上る。
だがインドでは、民営化を規制し水事業を公営化していく方向へ向かっていない。
そのため民間企業に河川ごとリースしたり、
飲料大手のコカコーラやペプシコが際限なく水をくみあげて
ミネラルウォーターや清涼飲料水製造を拡大するなど、
住民を犠牲にした過剰開発を継続している。
そのなかでダム建設中止を求める行動や水メジャーとのたたかいが続いている。
フィリピン・マニラでは1997年に民営化し、スエズを含む複数の
民間企業でつくるマニラッド・ウォーター・サービシズ(西地区)、
マニラウォーターカンパニー(東地区)と契約した。
当時約束したのは、
①水道料金の引き下げ、
②2006年までにエリア内の市民すべてに水道を行き渡らせ
水道管の漏水を大幅に減らす、
③2000年までに世界保健機構(WHO)が定める
水道水と下水排水の水質基準を満たす、というものだった。
だがマニラッドもマニラウォーターも料金を大幅に引き上げた。
さらにマニラ西地区は2003年にはコレラが大流行し、
7人が死亡し600人以上が病院に収容された。
フィリピン大学の事後調査では水道水が大腸菌で汚染されていた
ことを明らかにしている。
こうしたなかで、九七年にベトナムがスエズとの下水道契約を打ちきり、
2005年にはマレーシアで水道事業民営化法を撤回させた。
ネパールでも、06年にセヴァーン・トレント(英)に委託した
カトマンズの水道事業を公営に戻している。
南アフリカは1955年の自由憲章で
水資源を公的に管理する方向を明確にしていた。
だが1944年に世界銀行やIMFの助言にもとづき、
水道事業民営化に動き始めた。
公営水道は維持・管理費が回収できなければ水を供給しない方向へ舵を切り、
国民に甚大な影響を与えた。
スエズやバイウォーター(英)が請け負った結果、水道料金は六倍にはね上がった。
さらに料金を払えない人の水道を止めたため、
1000万人以上の人が水道を止められ、200万人以上の人が家を追われた。
水道がいくら普及しても料金が払えない人は
汚染された小川や遠くの井戸、池、湖から水を得るしかない。
その結果コレラが大流行した。
クワズールーナタル州では2000年に、12万人がコレラに感染し、
300人以上が死亡した。
ヨハネスブルグの黒人街でも民営化以後、数千世帯がコレラに感染した。
このなかで住民は水メジャーが設置したプリペイド式メーターを破壊し、
民営化反対の運動を展開した。
数百人規模の住民が逮捕・投獄されたが、
住民運動の力で2002年末には一定量の水道水を無料化する動きになっている。
アフリカではマリが仏企業・SAURの運営実態を批判して水道事業を再国営化した。
ガイアナでもセヴァーン・トレントとの20年契約を「約束不履行」を理由に
5年で打ちきった(2007年)。
ガーナやナミビアなどでも水道事業民営化反対の行動が続いている。
欧米諸国でも同様の動きが起きている。
2大水道メジャーのスエズとヴェオリアの本拠地であるフランス・パリでは、
85年から09年のあいだに水道料金が265%上昇し、
2010年に水道事業を再公営化した。
1989年にスエズ子会社へ水道事業を委託したフランス・グルノーブル市も、
2000年に市営へ戻した。
ドイツのベルリンやスペインのアレニス・デ・ムントも民営化後に公営へ戻している。
89年から水道の民営化を始めたイギリスでは、
その後10年間で水道料金が値上がりしたうえ、
水質検査の合格率が85%に低下。 漏水件数も増えている。
企業の株主配当や役員特別報酬を確保するために
何百万もの人人が水道を止められ批判世論が高まっている。
アメリカでもインディアナポリスやアトランタが民営化を公営に戻している。
すでに水道事業の民営化に見切りをつけ、この15年間に
上下水道の再公営化に踏みきった都市は
世界で約180都市(35カ国)にのぼっている。
☆国の安全保障脅かす 公営化に逆行する日本
こうした反面の先行事例、公営に戻していく世界的な流れに逆行し、
あくまで水道事業民営化に踏みきろうとするのが安倍政府である。
国益をみずから放棄し、欧米企業のために
国内市場を差し出す売国ぶりをあらわにしている。
もともと水道民営化の動きは2001年の第1次小泉内閣に端を発している。
物流部門の規制緩和や郵政民営化を強行した小泉政府は
構造改革の一環として水道法の一部を改定した。
これまで市町村運営だった水道事業の経営に民間企業の本格参入を可能にした。
そして2013年4月には、米ワシントンDCにある超党派シンクタンク
CSIS(米戦略国際問題研究所)で麻生太郎が講演し、
「日本の水道をすべて民営化します」と約束した。
「民営化して経費を抑える」 「水道事業を広域化すれば効率化できる」
などの理由は後付けに過ぎず、
「欧米企業が日本の水事業に自由に参入できるようにする」
というアメリカ向けの宣誓が本音であることを浮き彫りにした。
フセイン政府崩壊で泥沼化したイラクを見ても、
フセイン政府が政治を安定させる重要な統治手段は水の供給だった。
フセインは全土に水と食料を無料で配るシステムを構築し、
それは地方の集落にも毎週、水を運ぶトラックを走らせ、
村人はフセイン政府発行のカードを示せば水がもらえる仕組みだった。
そのため米軍を中心にした多国籍軍は湾岸戦争でもイラク戦争でも
イラクの水源地と給水パイプラインを真っ先に破壊する戦術をとった。
「ミサイル攻撃の備え」といってミサイルや武器を配備する以上に、
水道事業をはじめとするライフラインを守ることが国の安全保障にとって不可欠
であることは歴然としている。
水道施設、水源地がみな欧米企業に乗っとられた場合、水は自由に飲めなくなり、
水質汚染で病気感染が拡大するのは世界各国の事例が証明している。
同時に、農漁業、製造業も水がなければ行き詰まることは必至である。
歴代政府は電信電話公社を民営化して電話や通信部門を欧米企業に明け渡し、
アメリカの要求にそって国鉄を民営化し、郵便事業を民営化し、
その延長線上で国民生活に不可欠な水道事業まで外資に差し出そうとしている。
国民生活を維持するうえで、水道事業民営化を阻止する
全国的な世論結集が不可欠になっている。
春信、二枚目、
![]()
「春駒遊子供と傘さし美人」です。
女々しいサイコパスw
◆https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakayoshitsugu/20170402-00069467/
田中良紹よしつぐ | ジャーナリスト 4/2(日)
◎弥生の季節に馬脚を現した 肝の小さな政治家たち
弥生3月は草木が芽吹く季節であるから変化が起きやすい。
乱のきっかけになることも多い。
旧くは日本に戦乱の時代をもたらした応仁の乱が応仁元年3月に始まり、
最近では6年前の3月に大震災が起きて
日本人の意識を変え政治の混迷を深めさせている。
そして今年の3月はよく似たタイプの政治家が揃って窮地に陥った。
強がりでわがまま、相手の主張に耳を傾けようとせず
力でねじ伏せようとするが、失敗すると他人のせいにする。
その一方で、国民の支持を気にするポピュリズム型でもある。
そのよく似たタイプの政治家として
ドナルド・トランプ、石原慎太郎、安倍晋三の3人がいる。
米国のトランプ大統領はこの3月に選挙公約で最優先課題とした
「オバマケア見直し法案」を取り下げざるを得なくなった。
24日に予定されていた議会の採決が否決の見通しになったからである。
否決が現実となれば大統領は取り返しのつかないダメージを
国民の目にさらすことになる。
しかし国民の目をごまかしても、
法案の取り下げは政治家として醜態以外の何物でもない。
その醜態をトランプは「ライアン下院議長が共和党をまとめきれなかったためだ」
と他人のせいにした。
重要法案の採決となれば大統領は議員一人一人に電話をし
直接説得するのが米国政治の常識である。
それを下院議長のせいにするなど聞いたことがない。
自らの無能をさらけるだけの対応に
大統領と議会との溝は一層深まることになると思う。
問題はそれだけでない。
「移民の入国禁止」を巡る大統領令は二度も司法界から「ノー」を突きつけられた。
またロシアとの不適切な関係を問題視され、
フリン国家安全保障担当大統領補佐官を辞めさせるしかなくなり、
側近中の側近である娘婿のクシュナー上級顧問も
上院情報委員会に証人喚問されることになった。
さらに3月中旬に行われた米独首脳会談では、
大統領がメルケル首相に国防費の負担金として33兆円の請求書を渡したことから、
マティス国防長官を激怒させたと言われる。
外交的に非礼であるばかりでなく政治技術としてもあまりにも稚拙な振る舞いである。
選挙で国民に約束したことをただ押し通そうとするポピュリズム型政治に
「ついていけない」と感じる閣僚やスタッフが増えていくのではないかと思う。
そうしたトランプ大統領の振る舞いに
私は政治家としての器量のなさ肝の小ささを感じる。
これまで様々な政治家を見てきたが、肝の小さな政治家ほど強がりを言い、
力で相手をねじ伏せようとする。
そしてうまくいかなくなるとすぐ他人のせいにし、自分のことは弁解ばかりする。
世間から批判を浴びても不遇にあっても一切の弁解をしない人間にこそ
私は政治家としての器量を感ずる。
ロッキード事件で有罪判決を受けた田中角栄元総理は日本中から批判を浴びたが、
身の潔白を主張する一方で、
自分を逮捕した検察や自分を叩きまくるメディアを批判せず、
泣き言も弁解も言わずに裁判闘争と政治闘争を続けた。
その角栄氏を「でっち上げ事件の被害者」として、
また政治の「天才」として称賛した石原慎太郎元東京都知事は、
築地市場の豊洲移転問題で3月20日に都議会の百条委員会に喚問されたが、
対応の仕方は角栄氏とはまるで真逆であった。
百条委員会の冒頭で「脳梗塞を患ったため文字も忘れてしまった」と予防線を張り
「記憶にない」を繰り返す。
そして交渉をすべて他人に任せていたと リーダーとしての責任を回避し、
豊洲の安全性を調べるため自身が高めたハードルを根拠に
豊洲移転を遅らせる小池知事の責任を追及するという
全く辻褄の合わない言動に終始した。
肝の小さいことはなはだしい。
衆議院議員時代の石原氏を評価する声は永田町にほとんどなかった。
スタンドプレイをするだけで他人のために泥をかぶることもなく、
右翼的な主張を勇ましく言うだけの政治家だったからである。
しかし大衆にはそうした人物像を見抜く能力はない。
大衆民主主義時代の客寄せとして自民党が利用しているだけの政治家であった。
そう見られていることが衆議院議員を辞める理由だったと思うが、
都知事に転身を図る時に一瞬だけ変身を見せた。
かつては激しく批判した美濃部元知事の環境政策を褒めちぎり、
霞が関を批判するなどリベラルにも迎合する幅の広さを見せたのである。
しかし都知事就任後は再び元に戻る。
そしてそれ以上に悪い政治の私物化が始まるのである。
新銀行東京の設立もそうだが、何よりも国益を損ねたのは
米国に言われるまま尖閣問題に火をつけ日中対立を激化させたことである。
冷戦後の米国の基本戦略はロシア、中国を敵と見るだけでなく、
日本とドイツを押さえるためにロシア、中国を利用する。
それを理解しているドイツは 米国の側に付きながらもロシアとも密接に協議して
米国の言いなりにはならないようにする。
しかし日本は尖閣問題で米国の思うままになり、中国との対立を激化させた。
私には米中関係は昔の自民党と社会党と同じで
対立しているように見せながら水面下では手を握っているように思うのだが、
日本は中国と対立するため
米国の言うことをすべて聞かざるを得ない状況に自らを追い込んだ。
石原元都知事は息子を総理にしたいがために米国の思惑に乗せられ、
米国のシンクタンクで尖閣諸島の購入計画を発表する。
そのせいか2012年の自民党総裁選挙は当初は
石原伸晃幹事長が最有力の候補となる。
しかし不注意な発言の連発で石原氏は自ら墓穴を掘り、
代わって総裁選に勝利したのは安倍晋三氏であった。
派閥の反対を押し切って総裁選挙に出た安倍氏を支えたのは
右派系団体「日本会議」と 大阪に本拠を置くローカル政党「維新」である。
松井大阪府知事と意気投合した安倍氏は自民党総裁選挙に敗れれば
自民党を割って出て維新のトップに就任する約束をしていた。
そこから現在問題になっている森友学園の小学校建設の話が絡まるのである。
森友問題は安倍総理と維新の接点から生まれ、
また総理就任後の2014年に米国の政治任用制度(ポリティカル・アポインティ)
を真似た内閣人事局を作り、
官僚の人事権を官邸が掌握したことから、
官僚が官邸の意向を「忖度」する傾向が顕著となり、
そこに「スピリチュアル」な信仰に目覚めた昭恵夫人の森友支援が重なる。
安倍夫妻と政府と大阪がぐるみで戦前回帰の小学校を創ろうとすることになる。
その仕組みの一端が暴露されると、安倍総理は尋常ではない口調で全面否定を貫く。
その様はまさしく肝の小さな政治家が行うパターンを彷彿とさせ、
証拠となる資料をすべて廃棄したことにするところに
さらに問題の深刻さを感じさせた。
肝の太い人間は危機に陥るほど泰然として問題を処理する。
だが肝の小さな人間にはその真似ができない。
安倍総理は全否定を貫くことで自らを追い詰めることになった。
現在は「しっぽ」の籠池氏の反撃に対し、
捜査機関に命令して籠池氏を「悪人」に仕立て上げることに全力を挙げる。
しかし籠池氏を「悪人」に仕立てたとしても、昭恵夫人が口利きに関わり、
しかもメールのやり取りから
「カルトまがい」の信仰に取りつかれている事実を消すことはできない。
安倍総理にとってこの3月は決定的である。
トランプ、慎太郎の諸氏と並び致命的な醜態をさらした。
さあ次はどうする。
春信、三枚目、
![]()
「雲間にのぞく満月を見る美人」です。
馬鹿だから詰んでることもわからない、
◆https://dot.asahi.com/wa/2017040300076.html?page=1
ドット 2017/4/ 4
◎菅野完 「アッキード事件の核心に迫る“籠池ノート”の中身」
籠池泰典氏が安倍昭恵夫人付職員に送った手紙は ノートのコピーだった。
そのノートには政治家や役所に送った記述が大量に残る。
その全容を知る著述家の菅野完(すがの・たもつ)氏が
「アッキード事件」の核心に迫った。
* * *
「安倍晋三首相から100万円の寄付を頂戴している」。
衝撃的な告白から、森友学園の籠池泰典氏の「運命」は急展開を遂げた。
「首相に対する侮辱だ」との理由で開かれた証人喚問。
政府・与党からの偽証罪をちらつかせた連日の恫喝。
大阪地検特捜部による告発状の受理。
そして、大阪府・市による幼稚園と保育園への立ち入り調査……。
こうした出来事の全てが、たった10日のうちに、一個人に対して発動されたのだ。
もはやこれは「国家権力の総力を挙げた弾圧」としか言いようがないだろう。
国会を大きく揺さぶった谷査恵子首相夫人付きから籠池氏に宛てたfax──。
今、私の手元にはこのfaxと「籠池氏からの手紙」の両方がある。
双方とも、証人喚問前後に断続的に実施した、
籠池氏へのインタビューの過程で「発掘」したものだ。
正直に告白するが、谷氏からのfaxを書類の山から見つけた瞬間、
私はこの文書を「ただの連絡文」と認識し、処理してしまっていた。
この文書の1枚目の文面は、社交辞令に終始しているからだ。
「あまり意味のない文書だろう」と書類の山に戻そうとした瞬間、
2枚目末尾にある「平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」
との文言が目に飛び込んだ。
その時初めて、「これは、行政の業務文書ではないか」と気づいたのだ。
一方の「籠池からの手紙」は、籠池氏が提供してくれたノートの束の中から発見した。
籠池氏は古い人間だ。
手書きで文書を起案し、そのコピーに押印して手紙を送達する
という昭和の時代の文書送達管理手法を、未だに実践している。
従ってノートの束の中には、役所や政治家に送った手紙の「原本」が
大量に残されている。
その大量の手紙の「原本」の山に、谷氏からのfaxと平仄のあうものは一つしかない。
そしてその手紙は自民党の葉梨康弘衆議院議員が公開した手紙と同じものだ。
だがこの「籠池からの手紙」はいささか読解し難い。
なぜなら手紙の内容が、
「50年定借として早い時期に買い取るという形に契約変更したい」
「学校の用地が半値で借りられたらありがたい」
「本来なら平成27年度予算で返ってくるはずの立て替え払いが、
予算化されていなかったので早急に予算化してもらいたい」と、
手前勝手な要求事項だけを無味乾燥に箇条書きしたものにすぎないからだ。
冒頭の挨拶や自己紹介、依頼内容の概要など、手紙らしい内容は一切ない。
ただただ要求内容が羅列されるだけ。
「籠池氏が何をしている人か」 「なんでこんな手紙を送りつけてきたのか」
という予備知識がなければ、到底、理解できるような代物ではない。
しかしながら、これに対する返答である谷氏からのfaxは、
予備知識のない人間であれば読解不可能なはずの「籠池からの手紙」を見事に読み込み、
その要求事項の全てに遺漏なく的確に返答しており、
先述のように「工事立替費の次年度での予算化」という「籠池の要求」を
完全に満たす回答まである。
ここまで円滑なコミュニケーションが成立するためには、
「籠池が手紙を送る意図」を、谷氏に「解説」する人物がどうしても必要だ。
籠池氏は証人喚問で「一昨年10月、お願いがあって昭恵夫人に電話し、
留守電に残した」と証言している。
そしてこのエピソード自体は昭恵夫人本人も、フェイスブックで発表した
コメントの中で認めている。
ならば、「籠池の意図」を谷氏に「解説」する役割は、
昭恵夫人が担当したと解釈するのが自然だろう。
つまり昭恵夫人は「籠池の意図」を正確に理解し、その内容を財務省に伝えるよう、
自分の秘書である谷査恵子に命じたとしか言いようがないのだ。
これでは政治家が行う「陳情処理」や「口利き」と全く同じではないか。
このように「籠池からの手紙」と谷氏からのfaxの両方を並べ読み比べてみれば、
「昭恵夫人による土地取引への関与」の実態が、誰の目にも明らかになる。
参院予算委員会で民進党・福山哲郎議員から
「あのfaxを政府はどのようにして入手したのか?」と糾された菅義偉官房長官は、
「谷さん本人から入手した。個人で保有していたもので、
個人で保管していた以上、行政文書に当たらない」との見解を示した。
つまり政府は「公的な資料は全て廃棄したので存在しないが、
見つかった資料があるなら、それは私的なものであり、政府は責任を負わない」
と答弁しているのだ。あまりにも無茶苦茶ではないか。
このように、政府・与党は相変わらず、苦しい答弁を繰り返しており、
空虚な言葉だけが、積み上がっていく。
そしてなぜかテレビでは、政府・与党を擁護し続ける「識者」の類いが
幅を利かせている。
しかし一度冷静になってもらいたい。
2月中旬に森友問題が明るみに出て以降、政府・与党側から進んで
なんらかの資料が公開されたためしは一度もない。
国会で答弁に立つ政府委員や閣僚たちは口を揃えて「資料は廃棄した」
「そのような資料は存在しない」と言い張る。
一方、「百万円の振替票」にせよ、谷氏からのfaxにせよ、
「業者と役所の打ち合わせ記録」にせよ、
議論の検討材料となる資料はことごとく籠池氏側から提示されたものばかりだ。
つまり我々は今、
「紙を捨てたと言い張る側が、紙を提出してくる側を『嘘つき』呼ばわりする」
という、極めて珍妙な光景を目撃しているのだ。
こう考えると、政府の答弁は「苦しい言い訳」としか表現のしようがあるまい。
瑞穂の國記念小學院の設置認可や敷地の国有地払い下げに
「私や妻、事務所は一切関わっていない。
もし関わっていれば首相も国会議員も辞める」と答弁したのは、安倍首相本人だ。
政府はこの答弁を守るため、嘘に嘘を重ねてきた。
そして今や、「個人で保管していた文書である以上、公文書ではない」
との苦しい言い訳を繰り出すところまで追い込まれている。
あまりにも無理のある答弁を繰り返すことは、
国家の危機管理機能や統治機能を根底から毀損する行為だ。
たかだか首相一人のプライドを守るために、政府高官たちが嘘に嘘を重ね、
国家を溶解させていく姿は見るに忍びない。
もうゲームオーバーだろう。
首相、いい加減、諦めなさいな。
※週刊朝日2017年4月14日号より抜粋
↑
何様、サイコパス、尋常じゃないのでねぇw
享保10年(1725年)? ~ 明和7年(1770年) 作
「素性法師」です。
素性法師 (そせいほうし)
平安時代中期の歌人。三十六歌仙の一人。
僧正遍昭 (へんじょう) の子。
花ざかりに京をみやりてよめる
見わたせば柳桜をこきまぜて
都ぞ春の錦なりける
☆晴れ。
阿呆太郎は元祖・売国奴=吉田茂(ヨハンセングループ首魁)のDNA、
下痢壺はCIA工作員=岸信介のDNA、骨絡みの売国だ、
◆http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/jidaisakugonosuidoujigyoumineika.html
長周新聞 2017年3月31日付
時代錯誤の水道事業民営化
国民の生命に関わる重大問題
世界各国で実証済み 料金値上げや水質悪化招く
人間の生命活動を維持するだけでなく、農漁業や製造業など
全生産活動にも不可欠な「水」。
安全な水がなければ山林や水田も維持できず、社会に甚大な影響を及ぼす。
だが、この「水」の安定供給を危機にさらす「水道法改定」が
森友学園騒動の陰で動いている。
現在日本では、水道事業は市町村が管理し、部分的な業務委託はあっても
経営も含む全面的な民営化の前例はない。
「水道法改定」はそうした縛りをとり払い、営利企業、
とりわけ外資の参入を促すことが狙いである。
水道事業民営化は先行実施された中南米やアフリカ、欧州で
極端な料金値上げ、水質悪化などを引き起こし、
暴動の末に公営へ回帰した例が多数ある。
水道事業の民営化が国民生活になにをもたらすのか、
直視しなければならない事態に直面している。
☆アメリカで勝手に約束した麻生
安倍政府は今月7日、水道法改定案を閣議決定した。
料金の改定を認可制から届け出制に改め自由に料金値上げできることや、
災害時の復旧を自治体との共同責任にし
運営企業の負担を減らす内容を盛り込んだ。
政府は2011年に民間企業への運営権売却を認めたが、
災害発生時の費用負担リスクが大きく、応じた企業はなかった。
今回はその参入障壁をさらに引き下げ、
国内外の企業を水道事業に本格参入させることが眼目だ。
こうすれば企業が、災害リスクを考えずに営利追求に専念できる。
もし大事故や災害が起きても自治体に復旧経費を押しつけ、
参入企業に損をさせない仕組みにほかならない。
また、山間地域を抱える市町村は人口減などで税収が落ち込み、
独立採算によって水道事業が赤字状態の所が多い。
そこにつけ込み「複数の事業を統合すれば効率化できる」といって
水道事業の統合・広域化も促進する。
これも営利企業が参入したとき、より大きな利益を得るための地ならしである。
都道府県を広域連携の推進役と位置付け、給水人口が少ない市町村と
事業統合する中核都市への助成を拡充することも盛り込んだ。
政府はこの水道法改定を今国会で成立させ、2018年度の施行を目指している。
こうした方向性にそって全国の水道局で新しい動きも起きている。
国の方針を先どりした大阪市は、橋下徹前市長が提案していた
水道事業民営化関連議案を二八日、大阪市議会が否決した。
同議案は水道局を市から切り離し、市が100%出資する運営会社をつくり、
その会社に30年間の運営権を与える方式だ。
浄水場や水道管などの資産は市が保有したままだが、
「運営会社の経営が行き詰まったとき代替事業者がすぐ見つかるのか」
「市民に水を安定供給する保証がない」との批判が出て廃案になった。
近年、水道事業をめぐっては民営化に向けた「独立採算」の導入によって、
老朽化した水道管を交換することもできず、
漏水や水道管破裂が絶えないことへの危惧は強い。
水道事業の公営堅持を求める声は大阪市にとどまらず全国で切実さを増している。
他方、愛媛県松山市では2012年度から、世界最大の水メジャーである
仏ヴェオリア・ウォーターが、
浄水場運転業務や施設のメンテナンスに業務委託で参入している。
同市は「外資参入と水道料金値上げはまったく関係ない」と説明するが、
市内で水道料金が大幅な値上げとなった地域も出て物議を醸している。
それは水道事業の民営化や外資参入は決して遠い先の話ではない
ことを示している。
すでに日本市場に入り込んだヴェオリアにとどまらず、
スエズ(仏)、GE(米)、テムズ・ウォーター(英)など
欧米の巨大水メジャーが日本の水市場を虎視眈眈と狙っている。
安倍政府が進める水道事業民営化は、
日本の水市場を国主導で外資大手の餌食にしていく計画にほかならない。
☆中南米の経験 外資企業撤退に追込む
水道事業の民営化は、欧米資本が世界各国の市場をこじ開けるものとして
各国で実施してきた。
インフラの根幹を支配すれば 国を容易に支配できるからだ。
欧米資本が殴り込みをかけた中南米では住民が徹底した反撃をくり広げ、
公営へ回帰する都市が多数出ている。
「水戦争」で知られるボリビア・コチャバンバ市は
世界銀行監視下で1999年9月、市営上下水道を民営化した。
不透明な入札を経て、ボリビア政府は水道事業を米企業ベクテルに売却した。
ベクテルはすぐに水道料金を3倍に引き上げ、
料金を払えない世帯への給水をストップした。
住民が貯水槽に貯めて使っていた雨水の料金まで請求した。
こうした横暴なやり方に批判が高まり、
先住民を中心に「水と命を守る連合」を組織し抗議行動を開始した。
当初は「料金値下げ」を要求する穏便な行動だった。
だが警察と軍が武力弾圧に乗り出すなかで、市民は断固とした行動を継続した。
政府にベクテルとの契約破棄を求める住民投票では賛成が過半数を得て圧勝した。
この結果も政府が無視し続けたため、何千人もの住民が路上にくり出す
抗議行動に発展した。
軍の弾圧で数百人が負傷し17歳の少年が殺されたが、
住民は1週間をこすゼネストで市業務をマヒさせた。
こうした行動によってボリビア政府は2000年4月に敗北を認め、
ベクテルに撤退を申し入れた。
ベクテルは7カ月でたたき出され、コチャバンバ市の水道事業は公営に戻った。
ボリビアの首都ラパスも1997年に同市と近隣のエルアルト地区の
水道サービスをスエズ子会社に任せ、大矛盾となった。
スエズ子会社は貧富に分け隔てなく全住民に給水するという当初の約束を守らず、
貧困層の20万人が水を得られない事態となった。
さらに水道の接続料として450米㌦(貧困世帯の2年分の生活費に匹敵)
という法外な額を請求した。
下水施設の整備も同市の貧民街に溝を掘って汚水を流すもので、
最終的には世界遺産にも指定されたチチカカ湖に垂れ流した。
海外からの援助で建てられた学校や病院も水がないため運営できない。
このなかで住民は大規模なストをくり返し、スエズの撤退を要求した。
10年間のたたかいを経て2007年に大統領を退陣に追い込み、
スエズも撤退させた。
水道事業を公営に戻した新大統領は「水を民間ビジネスに委ねることはできない。
水道は基礎的なサービスとして、国家が担い続けなければならず、
それにより非常に安い料金での提供が可能なのだ」と表明した。
中南米では世界銀行や国際通貨基金(IMF)監視下で
水道事業民営化を押し進め、市場原理政策の先駆けとして水メジャーが乗り込んだ。
だがアルゼンチンではアズリックス(エンロン子会社)が水道事業を握った後、
事実上水道事業を放棄したままエンロンの破たんで撤退し、
その後は中央政府が水メジャーとの契約を拒否。
同国のブエノスアイレスやトゥクマンは一旦民営化したが公営に戻している。
スエズとアグアス・デ・ビルバオ(スペイン)の2社が参入したウルグアイでも、
高い料金で水を得られない住民が続出したうえ、
いい加減な水源管理によって水源のラグーナ・ブランカ湖の水を干上がらせてしまった。
さらに民営化にともなう契約料も支払わない事態となった。
ウルグアイではこうした営利企業を住民運動で撤退させたうえ、
2004年の憲法改正で「水へのアクセスは人権で、
上下水道サービスは中央政府が管轄するべき」という規定を追加している。
その他、汚水垂れ流しで肝炎を大流行させた
ベクテルの子会社を撤退させたエクアドル、
水道民営化を拒絶しているコロンビアのボゴダ、
下院が水道民営化を否決したパラグアイ、
裁判所が下水インフラの民営化に否定的な判決を下したニカラグアなど、
中南米で水道事業民営化はすでに時代遅れになっている。
水メジャーが真っ先に乗り込んだ中南米では、反面の実体験から
ライフラインを営利の具として破壊する欧米の水メジャーを排除し、
水道事業を公営で堅持し国民生活に資する事業として発展させていく
世論と行動が圧倒している。
☆アジアやアフリカ コレラ大流行で死者も
アジアでも似たような状況に直面している。
インドではベクテル、ヴェオリア、テムズ、スエズ、アングリアン(英)など
複数の水メジャーが水道事業に参入し、
巨大な導水路を建設するために数千人規模で住民に住居や農地からの立ち退きを
迫っている。
10億人をこすインドの人人の飲料水や生活用水をまかなうには
大量の水源が必要で、日本とは比較にならないほど
各地の水源は稀少かつ貴重である。
大河川をせき止める大規模ダムの計画も多数動いており、
住居や生産手段を奪われる少数民族や農民は100万人に上る。
だがインドでは、民営化を規制し水事業を公営化していく方向へ向かっていない。
そのため民間企業に河川ごとリースしたり、
飲料大手のコカコーラやペプシコが際限なく水をくみあげて
ミネラルウォーターや清涼飲料水製造を拡大するなど、
住民を犠牲にした過剰開発を継続している。
そのなかでダム建設中止を求める行動や水メジャーとのたたかいが続いている。
フィリピン・マニラでは1997年に民営化し、スエズを含む複数の
民間企業でつくるマニラッド・ウォーター・サービシズ(西地区)、
マニラウォーターカンパニー(東地区)と契約した。
当時約束したのは、
①水道料金の引き下げ、
②2006年までにエリア内の市民すべてに水道を行き渡らせ
水道管の漏水を大幅に減らす、
③2000年までに世界保健機構(WHO)が定める
水道水と下水排水の水質基準を満たす、というものだった。
だがマニラッドもマニラウォーターも料金を大幅に引き上げた。
さらにマニラ西地区は2003年にはコレラが大流行し、
7人が死亡し600人以上が病院に収容された。
フィリピン大学の事後調査では水道水が大腸菌で汚染されていた
ことを明らかにしている。
こうしたなかで、九七年にベトナムがスエズとの下水道契約を打ちきり、
2005年にはマレーシアで水道事業民営化法を撤回させた。
ネパールでも、06年にセヴァーン・トレント(英)に委託した
カトマンズの水道事業を公営に戻している。
南アフリカは1955年の自由憲章で
水資源を公的に管理する方向を明確にしていた。
だが1944年に世界銀行やIMFの助言にもとづき、
水道事業民営化に動き始めた。
公営水道は維持・管理費が回収できなければ水を供給しない方向へ舵を切り、
国民に甚大な影響を与えた。
スエズやバイウォーター(英)が請け負った結果、水道料金は六倍にはね上がった。
さらに料金を払えない人の水道を止めたため、
1000万人以上の人が水道を止められ、200万人以上の人が家を追われた。
水道がいくら普及しても料金が払えない人は
汚染された小川や遠くの井戸、池、湖から水を得るしかない。
その結果コレラが大流行した。
クワズールーナタル州では2000年に、12万人がコレラに感染し、
300人以上が死亡した。
ヨハネスブルグの黒人街でも民営化以後、数千世帯がコレラに感染した。
このなかで住民は水メジャーが設置したプリペイド式メーターを破壊し、
民営化反対の運動を展開した。
数百人規模の住民が逮捕・投獄されたが、
住民運動の力で2002年末には一定量の水道水を無料化する動きになっている。
アフリカではマリが仏企業・SAURの運営実態を批判して水道事業を再国営化した。
ガイアナでもセヴァーン・トレントとの20年契約を「約束不履行」を理由に
5年で打ちきった(2007年)。
ガーナやナミビアなどでも水道事業民営化反対の行動が続いている。
欧米諸国でも同様の動きが起きている。
2大水道メジャーのスエズとヴェオリアの本拠地であるフランス・パリでは、
85年から09年のあいだに水道料金が265%上昇し、
2010年に水道事業を再公営化した。
1989年にスエズ子会社へ水道事業を委託したフランス・グルノーブル市も、
2000年に市営へ戻した。
ドイツのベルリンやスペインのアレニス・デ・ムントも民営化後に公営へ戻している。
89年から水道の民営化を始めたイギリスでは、
その後10年間で水道料金が値上がりしたうえ、
水質検査の合格率が85%に低下。 漏水件数も増えている。
企業の株主配当や役員特別報酬を確保するために
何百万もの人人が水道を止められ批判世論が高まっている。
アメリカでもインディアナポリスやアトランタが民営化を公営に戻している。
すでに水道事業の民営化に見切りをつけ、この15年間に
上下水道の再公営化に踏みきった都市は
世界で約180都市(35カ国)にのぼっている。
☆国の安全保障脅かす 公営化に逆行する日本
こうした反面の先行事例、公営に戻していく世界的な流れに逆行し、
あくまで水道事業民営化に踏みきろうとするのが安倍政府である。
国益をみずから放棄し、欧米企業のために
国内市場を差し出す売国ぶりをあらわにしている。
もともと水道民営化の動きは2001年の第1次小泉内閣に端を発している。
物流部門の規制緩和や郵政民営化を強行した小泉政府は
構造改革の一環として水道法の一部を改定した。
これまで市町村運営だった水道事業の経営に民間企業の本格参入を可能にした。
そして2013年4月には、米ワシントンDCにある超党派シンクタンク
CSIS(米戦略国際問題研究所)で麻生太郎が講演し、
「日本の水道をすべて民営化します」と約束した。
「民営化して経費を抑える」 「水道事業を広域化すれば効率化できる」
などの理由は後付けに過ぎず、
「欧米企業が日本の水事業に自由に参入できるようにする」
というアメリカ向けの宣誓が本音であることを浮き彫りにした。
フセイン政府崩壊で泥沼化したイラクを見ても、
フセイン政府が政治を安定させる重要な統治手段は水の供給だった。
フセインは全土に水と食料を無料で配るシステムを構築し、
それは地方の集落にも毎週、水を運ぶトラックを走らせ、
村人はフセイン政府発行のカードを示せば水がもらえる仕組みだった。
そのため米軍を中心にした多国籍軍は湾岸戦争でもイラク戦争でも
イラクの水源地と給水パイプラインを真っ先に破壊する戦術をとった。
「ミサイル攻撃の備え」といってミサイルや武器を配備する以上に、
水道事業をはじめとするライフラインを守ることが国の安全保障にとって不可欠
であることは歴然としている。
水道施設、水源地がみな欧米企業に乗っとられた場合、水は自由に飲めなくなり、
水質汚染で病気感染が拡大するのは世界各国の事例が証明している。
同時に、農漁業、製造業も水がなければ行き詰まることは必至である。
歴代政府は電信電話公社を民営化して電話や通信部門を欧米企業に明け渡し、
アメリカの要求にそって国鉄を民営化し、郵便事業を民営化し、
その延長線上で国民生活に不可欠な水道事業まで外資に差し出そうとしている。
国民生活を維持するうえで、水道事業民営化を阻止する
全国的な世論結集が不可欠になっている。
春信、二枚目、

「春駒遊子供と傘さし美人」です。
女々しいサイコパスw
◆https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakayoshitsugu/20170402-00069467/
田中良紹よしつぐ | ジャーナリスト 4/2(日)
◎弥生の季節に馬脚を現した 肝の小さな政治家たち
弥生3月は草木が芽吹く季節であるから変化が起きやすい。
乱のきっかけになることも多い。
旧くは日本に戦乱の時代をもたらした応仁の乱が応仁元年3月に始まり、
最近では6年前の3月に大震災が起きて
日本人の意識を変え政治の混迷を深めさせている。
そして今年の3月はよく似たタイプの政治家が揃って窮地に陥った。
強がりでわがまま、相手の主張に耳を傾けようとせず
力でねじ伏せようとするが、失敗すると他人のせいにする。
その一方で、国民の支持を気にするポピュリズム型でもある。
そのよく似たタイプの政治家として
ドナルド・トランプ、石原慎太郎、安倍晋三の3人がいる。
米国のトランプ大統領はこの3月に選挙公約で最優先課題とした
「オバマケア見直し法案」を取り下げざるを得なくなった。
24日に予定されていた議会の採決が否決の見通しになったからである。
否決が現実となれば大統領は取り返しのつかないダメージを
国民の目にさらすことになる。
しかし国民の目をごまかしても、
法案の取り下げは政治家として醜態以外の何物でもない。
その醜態をトランプは「ライアン下院議長が共和党をまとめきれなかったためだ」
と他人のせいにした。
重要法案の採決となれば大統領は議員一人一人に電話をし
直接説得するのが米国政治の常識である。
それを下院議長のせいにするなど聞いたことがない。
自らの無能をさらけるだけの対応に
大統領と議会との溝は一層深まることになると思う。
問題はそれだけでない。
「移民の入国禁止」を巡る大統領令は二度も司法界から「ノー」を突きつけられた。
またロシアとの不適切な関係を問題視され、
フリン国家安全保障担当大統領補佐官を辞めさせるしかなくなり、
側近中の側近である娘婿のクシュナー上級顧問も
上院情報委員会に証人喚問されることになった。
さらに3月中旬に行われた米独首脳会談では、
大統領がメルケル首相に国防費の負担金として33兆円の請求書を渡したことから、
マティス国防長官を激怒させたと言われる。
外交的に非礼であるばかりでなく政治技術としてもあまりにも稚拙な振る舞いである。
選挙で国民に約束したことをただ押し通そうとするポピュリズム型政治に
「ついていけない」と感じる閣僚やスタッフが増えていくのではないかと思う。
そうしたトランプ大統領の振る舞いに
私は政治家としての器量のなさ肝の小ささを感じる。
これまで様々な政治家を見てきたが、肝の小さな政治家ほど強がりを言い、
力で相手をねじ伏せようとする。
そしてうまくいかなくなるとすぐ他人のせいにし、自分のことは弁解ばかりする。
世間から批判を浴びても不遇にあっても一切の弁解をしない人間にこそ
私は政治家としての器量を感ずる。
ロッキード事件で有罪判決を受けた田中角栄元総理は日本中から批判を浴びたが、
身の潔白を主張する一方で、
自分を逮捕した検察や自分を叩きまくるメディアを批判せず、
泣き言も弁解も言わずに裁判闘争と政治闘争を続けた。
その角栄氏を「でっち上げ事件の被害者」として、
また政治の「天才」として称賛した石原慎太郎元東京都知事は、
築地市場の豊洲移転問題で3月20日に都議会の百条委員会に喚問されたが、
対応の仕方は角栄氏とはまるで真逆であった。
百条委員会の冒頭で「脳梗塞を患ったため文字も忘れてしまった」と予防線を張り
「記憶にない」を繰り返す。
そして交渉をすべて他人に任せていたと リーダーとしての責任を回避し、
豊洲の安全性を調べるため自身が高めたハードルを根拠に
豊洲移転を遅らせる小池知事の責任を追及するという
全く辻褄の合わない言動に終始した。
肝の小さいことはなはだしい。
衆議院議員時代の石原氏を評価する声は永田町にほとんどなかった。
スタンドプレイをするだけで他人のために泥をかぶることもなく、
右翼的な主張を勇ましく言うだけの政治家だったからである。
しかし大衆にはそうした人物像を見抜く能力はない。
大衆民主主義時代の客寄せとして自民党が利用しているだけの政治家であった。
そう見られていることが衆議院議員を辞める理由だったと思うが、
都知事に転身を図る時に一瞬だけ変身を見せた。
かつては激しく批判した美濃部元知事の環境政策を褒めちぎり、
霞が関を批判するなどリベラルにも迎合する幅の広さを見せたのである。
しかし都知事就任後は再び元に戻る。
そしてそれ以上に悪い政治の私物化が始まるのである。
新銀行東京の設立もそうだが、何よりも国益を損ねたのは
米国に言われるまま尖閣問題に火をつけ日中対立を激化させたことである。
冷戦後の米国の基本戦略はロシア、中国を敵と見るだけでなく、
日本とドイツを押さえるためにロシア、中国を利用する。
それを理解しているドイツは 米国の側に付きながらもロシアとも密接に協議して
米国の言いなりにはならないようにする。
しかし日本は尖閣問題で米国の思うままになり、中国との対立を激化させた。
私には米中関係は昔の自民党と社会党と同じで
対立しているように見せながら水面下では手を握っているように思うのだが、
日本は中国と対立するため
米国の言うことをすべて聞かざるを得ない状況に自らを追い込んだ。
石原元都知事は息子を総理にしたいがために米国の思惑に乗せられ、
米国のシンクタンクで尖閣諸島の購入計画を発表する。
そのせいか2012年の自民党総裁選挙は当初は
石原伸晃幹事長が最有力の候補となる。
しかし不注意な発言の連発で石原氏は自ら墓穴を掘り、
代わって総裁選に勝利したのは安倍晋三氏であった。
派閥の反対を押し切って総裁選挙に出た安倍氏を支えたのは
右派系団体「日本会議」と 大阪に本拠を置くローカル政党「維新」である。
松井大阪府知事と意気投合した安倍氏は自民党総裁選挙に敗れれば
自民党を割って出て維新のトップに就任する約束をしていた。
そこから現在問題になっている森友学園の小学校建設の話が絡まるのである。
森友問題は安倍総理と維新の接点から生まれ、
また総理就任後の2014年に米国の政治任用制度(ポリティカル・アポインティ)
を真似た内閣人事局を作り、
官僚の人事権を官邸が掌握したことから、
官僚が官邸の意向を「忖度」する傾向が顕著となり、
そこに「スピリチュアル」な信仰に目覚めた昭恵夫人の森友支援が重なる。
安倍夫妻と政府と大阪がぐるみで戦前回帰の小学校を創ろうとすることになる。
その仕組みの一端が暴露されると、安倍総理は尋常ではない口調で全面否定を貫く。
その様はまさしく肝の小さな政治家が行うパターンを彷彿とさせ、
証拠となる資料をすべて廃棄したことにするところに
さらに問題の深刻さを感じさせた。
肝の太い人間は危機に陥るほど泰然として問題を処理する。
だが肝の小さな人間にはその真似ができない。
安倍総理は全否定を貫くことで自らを追い詰めることになった。
現在は「しっぽ」の籠池氏の反撃に対し、
捜査機関に命令して籠池氏を「悪人」に仕立て上げることに全力を挙げる。
しかし籠池氏を「悪人」に仕立てたとしても、昭恵夫人が口利きに関わり、
しかもメールのやり取りから
「カルトまがい」の信仰に取りつかれている事実を消すことはできない。
安倍総理にとってこの3月は決定的である。
トランプ、慎太郎の諸氏と並び致命的な醜態をさらした。
さあ次はどうする。
春信、三枚目、

「雲間にのぞく満月を見る美人」です。
馬鹿だから詰んでることもわからない、
◆https://dot.asahi.com/wa/2017040300076.html?page=1
ドット 2017/4/ 4
◎菅野完 「アッキード事件の核心に迫る“籠池ノート”の中身」
籠池泰典氏が安倍昭恵夫人付職員に送った手紙は ノートのコピーだった。
そのノートには政治家や役所に送った記述が大量に残る。
その全容を知る著述家の菅野完(すがの・たもつ)氏が
「アッキード事件」の核心に迫った。
* * *
「安倍晋三首相から100万円の寄付を頂戴している」。
衝撃的な告白から、森友学園の籠池泰典氏の「運命」は急展開を遂げた。
「首相に対する侮辱だ」との理由で開かれた証人喚問。
政府・与党からの偽証罪をちらつかせた連日の恫喝。
大阪地検特捜部による告発状の受理。
そして、大阪府・市による幼稚園と保育園への立ち入り調査……。
こうした出来事の全てが、たった10日のうちに、一個人に対して発動されたのだ。
もはやこれは「国家権力の総力を挙げた弾圧」としか言いようがないだろう。
国会を大きく揺さぶった谷査恵子首相夫人付きから籠池氏に宛てたfax──。
今、私の手元にはこのfaxと「籠池氏からの手紙」の両方がある。
双方とも、証人喚問前後に断続的に実施した、
籠池氏へのインタビューの過程で「発掘」したものだ。
正直に告白するが、谷氏からのfaxを書類の山から見つけた瞬間、
私はこの文書を「ただの連絡文」と認識し、処理してしまっていた。
この文書の1枚目の文面は、社交辞令に終始しているからだ。
「あまり意味のない文書だろう」と書類の山に戻そうとした瞬間、
2枚目末尾にある「平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」
との文言が目に飛び込んだ。
その時初めて、「これは、行政の業務文書ではないか」と気づいたのだ。
一方の「籠池からの手紙」は、籠池氏が提供してくれたノートの束の中から発見した。
籠池氏は古い人間だ。
手書きで文書を起案し、そのコピーに押印して手紙を送達する
という昭和の時代の文書送達管理手法を、未だに実践している。
従ってノートの束の中には、役所や政治家に送った手紙の「原本」が
大量に残されている。
その大量の手紙の「原本」の山に、谷氏からのfaxと平仄のあうものは一つしかない。
そしてその手紙は自民党の葉梨康弘衆議院議員が公開した手紙と同じものだ。
だがこの「籠池からの手紙」はいささか読解し難い。
なぜなら手紙の内容が、
「50年定借として早い時期に買い取るという形に契約変更したい」
「学校の用地が半値で借りられたらありがたい」
「本来なら平成27年度予算で返ってくるはずの立て替え払いが、
予算化されていなかったので早急に予算化してもらいたい」と、
手前勝手な要求事項だけを無味乾燥に箇条書きしたものにすぎないからだ。
冒頭の挨拶や自己紹介、依頼内容の概要など、手紙らしい内容は一切ない。
ただただ要求内容が羅列されるだけ。
「籠池氏が何をしている人か」 「なんでこんな手紙を送りつけてきたのか」
という予備知識がなければ、到底、理解できるような代物ではない。
しかしながら、これに対する返答である谷氏からのfaxは、
予備知識のない人間であれば読解不可能なはずの「籠池からの手紙」を見事に読み込み、
その要求事項の全てに遺漏なく的確に返答しており、
先述のように「工事立替費の次年度での予算化」という「籠池の要求」を
完全に満たす回答まである。
ここまで円滑なコミュニケーションが成立するためには、
「籠池が手紙を送る意図」を、谷氏に「解説」する人物がどうしても必要だ。
籠池氏は証人喚問で「一昨年10月、お願いがあって昭恵夫人に電話し、
留守電に残した」と証言している。
そしてこのエピソード自体は昭恵夫人本人も、フェイスブックで発表した
コメントの中で認めている。
ならば、「籠池の意図」を谷氏に「解説」する役割は、
昭恵夫人が担当したと解釈するのが自然だろう。
つまり昭恵夫人は「籠池の意図」を正確に理解し、その内容を財務省に伝えるよう、
自分の秘書である谷査恵子に命じたとしか言いようがないのだ。
これでは政治家が行う「陳情処理」や「口利き」と全く同じではないか。
このように「籠池からの手紙」と谷氏からのfaxの両方を並べ読み比べてみれば、
「昭恵夫人による土地取引への関与」の実態が、誰の目にも明らかになる。
参院予算委員会で民進党・福山哲郎議員から
「あのfaxを政府はどのようにして入手したのか?」と糾された菅義偉官房長官は、
「谷さん本人から入手した。個人で保有していたもので、
個人で保管していた以上、行政文書に当たらない」との見解を示した。
つまり政府は「公的な資料は全て廃棄したので存在しないが、
見つかった資料があるなら、それは私的なものであり、政府は責任を負わない」
と答弁しているのだ。あまりにも無茶苦茶ではないか。
このように、政府・与党は相変わらず、苦しい答弁を繰り返しており、
空虚な言葉だけが、積み上がっていく。
そしてなぜかテレビでは、政府・与党を擁護し続ける「識者」の類いが
幅を利かせている。
しかし一度冷静になってもらいたい。
2月中旬に森友問題が明るみに出て以降、政府・与党側から進んで
なんらかの資料が公開されたためしは一度もない。
国会で答弁に立つ政府委員や閣僚たちは口を揃えて「資料は廃棄した」
「そのような資料は存在しない」と言い張る。
一方、「百万円の振替票」にせよ、谷氏からのfaxにせよ、
「業者と役所の打ち合わせ記録」にせよ、
議論の検討材料となる資料はことごとく籠池氏側から提示されたものばかりだ。
つまり我々は今、
「紙を捨てたと言い張る側が、紙を提出してくる側を『嘘つき』呼ばわりする」
という、極めて珍妙な光景を目撃しているのだ。
こう考えると、政府の答弁は「苦しい言い訳」としか表現のしようがあるまい。
瑞穂の國記念小學院の設置認可や敷地の国有地払い下げに
「私や妻、事務所は一切関わっていない。
もし関わっていれば首相も国会議員も辞める」と答弁したのは、安倍首相本人だ。
政府はこの答弁を守るため、嘘に嘘を重ねてきた。
そして今や、「個人で保管していた文書である以上、公文書ではない」
との苦しい言い訳を繰り出すところまで追い込まれている。
あまりにも無理のある答弁を繰り返すことは、
国家の危機管理機能や統治機能を根底から毀損する行為だ。
たかだか首相一人のプライドを守るために、政府高官たちが嘘に嘘を重ね、
国家を溶解させていく姿は見るに忍びない。
もうゲームオーバーだろう。
首相、いい加減、諦めなさいな。
※週刊朝日2017年4月14日号より抜粋
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何様、サイコパス、尋常じゃないのでねぇw